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誰もいなくなった会議室で、ビデオ通話のボタンを押す。
数回のコール音がして、オッパが映る。
透けるような金髪の後頭部には寝癖がついていて。
随分リラックスした様子だから、ひょっとして宿舎だろうか。
YG「ヨボセヨ？もしかしてまだ事務所？」
「ネ、記事のことでちょっと。ごめんなさい、オッパにまた迷惑をかけて」
YG「迷惑なんてないよ。従兄妹だってバレることに何の不都合があるんだよ。俺はむしろ、やっと世界にユナが俺の可愛い妹なんだって自慢できるから好都合なぐらいなのに」
「んん、オッパは時々変なことを言うねぇ」
YG「とにかく、何も問題はないから気にするなよ。お前はいつだって俺の自慢の妹なんだから」
「、ありがとう」
YG「今日日本から帰ってきたばかりだろ？ハードスケジュールだったんだから、早く宿舎に帰って休みな」
「うん。あ、オッパ、お土産を買ったの。ミナオンニのオンマが見つけてくださって。ほら、あのクマの」
YG「お？本当に？悪いな」
「オッパの事務所宛に送るね」
YG「ありがと、…ちょっとヒョン、静かにしてください」
JN「ヤァー！ユンギヤー！ヒョンをそんな蝿みたいに追い払うな！ユナちゃーん！新年おめでと〜！」
TH「ユナちゃん、こんにちは〜」
不意に画面の中が一気に騒がしくなって、ユナは目を丸くした。
画面からオッパが消えて、これまた無造作ヘアのジン、テヒョン、続いてジミンやホソク、ナムジュンが映り、ユナに手を振る。
ユナも慌てて「おめでとうございます」と頭を下げた。
画面の外から「ヒョンの携帯なんだけど？」とオッパの声が聞こえる。
カメラがあちこちに向けられて、映像がぐるぐる回るせいで、ユナは酔ってしまいそうになったけれど、画面の中から聞こえてくる声があんまりにも楽しそうだったから、ユナも思わず笑みをこぼした。
オッパたちの賑やかな声を聞いていると、ユナもメンバーたちに会いたくなる。
ーーー…みんなもう寝ちゃってるかなぁ。
TH「あ！ちょ、ジョングガ！」
不意に呼ばれた名前に、ユナはパッと顔を上げた。
画面が真っ暗になって。それから。
「ユナさん、こんにちは」
耳に飛び込んできた柔らかい声音に、ユナの心臓が小さく音を立てた。
画面にジョングクの顔が映る。
クリクリとした黒目がユナを捉えた瞬間、綺麗な弧を描いた。
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作者名：kamome | 作成日時：2023年1月16日 17時
