#09-8 JK ページ36
数秒にも、永遠にも感じられた一瞬の後。
ゆっくりと唇を離したジョングクを、ユナがじっと見つめる。
ジョングクは砂浜に腰を下ろすと、グッとユナの体を引き寄せた。
華奢な体は簡単にジョングクの足の間に収まる。
抱いた腰の細さに一瞬慄いたが、そのままユナも瞳を覗き込んだ。
「ずっと、貴方に、ユナさんに会いたかった。
6年前のあの日。
初めてCJと踊るユナさんと出会ったあの日。
僕は、貴方に…恋をしました。
最後に会ったあの日から、ユナさんのことを忘れた日は1日だってありません。
ずっと、ユナさんのことを想っていました。
あの日からずっと、僕はユナさんのことが、好きです。」
人差し指の背でユナの頬を撫でて。
その小さな顎に指を滑らせる。
ユナが、そっと目を伏せて。
そのほっそりした指先が、ジョングクの腕に触れた瞬間。
ジョングクはもう一度、ユナの薄い唇に自分のそれを重ね合わせた。
一度、二度、三度と。
唇を合わせる度に、ユナの体温が伝わってきて。
弱々しくジョングクの腕を掴んだ手をとって、指を絡ませた。
頭がぼんやりとして、周囲の音が聞こえなくなって。
まるで世界には二人っきりしかいないような感覚に陥った。
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作者名:kamome | 作成日時:2023年1月16日 17時