#09-5 JK ページ33
「どうして、それを?」
YN「…オンニたちも、マンネたちも、ダヒョニも、…みんな最近元気がなくて。
カムバックをして、LIVEをして…
ONCEたちに会えるのが楽しみで、たくさん、準備をしてるのに、いろんなことを、我慢してるのに…
うまくいかないことが続いてて。
辛い顔をしてるメンバーを見るのは嫌なんです。
だから、幸運のお守りを、みんなにあげたくて」
「そう、なんですね」
そういえば、クアラルンプールで行われる予定だったTWICEのLIVEが、直前に中止になったとニュースで見た。
TWICE は今年もう2回もカムバックをしている上に、ツアーが立て続いている。
ただでさえ、昼夜がわからなくなるような生活をしているのに、あのハードスケジュールだ。
疲労が蓄積されるのは当たり前のことだ。
待っていてくれるファンのためなら、いくらでも力は湧いてくるけれど、時々全てを放りだしたくなる。
ユナの気持ちも、グループに漂っているであろう空気感も、ジョングクには痛いほどよく理解ができた。
ユナと一緒に砂浜にしゃがみ込んで、乳白色の欠片がないか、目を凝らす。
砂をかき分けながら、ふとユナに尋ねた。
「、前にも、見つけたことがあるんですか?」
YN「…アメリカに行く前に、海で見つけたことがあります」
「、それは、いま、どこに、…」
緊張からか、声が掠れる。
不意にユナが顔をあげた。
YN「、人に、あげました。アメリカにいた時に。
…瞳が、すごく綺麗な人で。宝石みたいに、きらきらしてて。
でもすっごく、優しい色をした人でした。
あの、お月様みたいに」
「、」
YN「…ジョングクさんの瞳は、あの人によく似てます」
暗闇の中、周りが見えないはずなのに、ユナの瞳は月の光を吸収したように、きらきらと光って見えた。
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作者名:kamome | 作成日時:2023年1月16日 17時