#11-2 JK ページ3
ドキドキしながら、ただじっとユンギの帰りを待っていると、小さな声が聞こえた。
反射的にジョングクの肩が跳ね上がる。
YN「…おっぱ…？、…おっぱぁ…」
スン、と鼻を鳴らす音が聞こえて、ジョングクは思わず振り返った。
ふらふらと、ユナが体を起こしていた。
熱で潤んだ瞳がジョングクを捉えると、くしゃり、と顔が歪む。
ユナはぎゅっと両手で耳を抑えながら、繰り返しユンギを呼ぶ。
まん丸の瞳から、ボロボロと大粒の涙がこぼれ落ちて、ジョングクは慌てて側に駆け寄った。
「大丈夫、大丈夫、ヒョンは今お風呂に入ってて、えと、すぐに帰ってくるから、大丈夫だよ」
「ヒョンはすぐに帰ってくるから、だから泣かないで、ね？」
ベッドサイドにしゃがみ込んで、ジョングクはできるだけ柔らかい声音で話しかける。
距離を保ったまま、「大丈夫だよ」と何度も繰り返した。
そんなジョングクをじっと見つめていたユナがぽつりと呟いた。
YN「、おっぱ、わたしのこと、おいてかない？」
「、もちろん。ヒョンはずっと、ユナさんの側にいるよ」
涙が滲む瞳が不安げに揺られている。
「ここには、ユナさんを傷つける人は誰もいないよ。だから安心して休んで」
ジョングクが安心させるように微笑みかけたが、ユナはフルフルと首を振る。
YN「だれかがみてるの、ずっと」
YN「目をとじてても、ずっと、わたしのことをみてるの」
こわい。
そう呟いて、ユナはまたぎゅっと両耳を掌で塞ぐ。
恐怖からか、震えるユナに、ジョングクはグッと胸が締め付けられた。
ーーーどうしよう。どうしたら安心させられるのかな。やっぱり、ユンギヒョンを呼びに行った方が…、
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作者名：kamome | 作成日時：2023年1月16日 17時
