Baby's Breath. vol.2 (ページ19)

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「第一にわたしは私服で胸元が見える服は持っていません。
衣装でも胸元が見えないように、衣装さんにお願いをしています。背中もまたしかり。
それにも関わらず、あの写真には、デコルテと背中がしっかり写っていました。

あの写真が撮れる場面があるとすれば、一つしかありません。

チェ先生とのレッスン時です。
レオタードだけは、背中が空いているものも、胸元が詰まっていないものも着ますから。」

C「なにを、言ってんだか、」

「第二に、最初に流失したこのデコルテが写った写真。
随分雑な合成をしたんですね。
肩のところにレオタードの線が残っていました。
あぁ、ちょうど今日着ているレオタードですね」

ユナは自分の胸元を撫でながら、首を傾げる。

「いつ、どこで撮られたのかはすぐ分かりましたか、誰が撮ったのかがわからなくて。

可能性としてすぐにチェ先生のことが思い浮かびました。
でもなぜチェ先生がこんなことをするのか、どうしてもわからなくて。
だってバレたらチェ先生は確実に職を失いますよね。
わたしの写真を流出させることのメリットがどうしてもわからなかったんです。」

C「…何を言ってるのかさっぱりだよ。第一そのカメラが俺のだって証拠がどこにあるんだ」

「…今回、チェ先生にレッスンをお願いするにあたって、マネオンニに事前に頼んでおいたことがあるんです。

レッスンのスタジオが決まった後で、専門の業者の方に念のためスタジオ内を確認していただきました。
その時は何も見つからなかったとマネオンニから聞いています。

それで、調査が終わってから、こちらもカメラを仕掛けることにしたんです。

ほら、あそこです。時計の針の中心のところ。」

C「…！まさか！」

「調査を終えてからこのスタジオに出入りする人間が全てあのカメラに記録されています。
このスタジオで、誰が、何をしたのかを、全て」

「一緒に確認しますか？」とユナが言い終えた瞬間。

C「ッチックショウッッッ」

チェ先生が、机に置かれたカメラを奪おうと、ユナに手を伸ばす。

思わずユナが目を瞑った瞬間、ミナの声が聞こえて。

次いでマネージャーの怒号が聞こえた。

MM「ユナ！！！！」

見知った香りに抱きしめられた瞬間、堰を切ったように、ユナの両目から大粒の涙が溢れ出した。