Baby's Breath. vol.2 (ページ18)

今日:12 hit、昨日:35 hit、合計:110,894 hit

#04-2 ページ18

そぅっと。そぅっと。

有孔ボードの穴にピッタリとはめられていたそれは、小さな、小さな小型カメラだった。

ユナの心臓が、早鐘を打ち始める。

カメラが置かれていた高さ。位置。角度。

でもまさか、こんな小さなもので、あんな写真が撮れるものなのだろうか。

手のひらに乗せたそれをまじまじと見ながら、ユナは首を傾げる。

C「そろそろ、練習を再開しましょうか。あれ、ミナは？」

「、せんせい」

突然かけられた声に、ユナは肩が跳ね上がった。

振り向くと、そこにはチェ先生の姿があって。

いつものように爽やかな笑顔を浮かべていたチェ先生が、ユナの手のひらの上にあるものに気づくと同時に、急激に顔を青ざめさせた。

その瞬間、ユナは悟ってしまった。

ーーーあぁ、やっぱり、そう、だったんだ。

ドクドク、と全身の血が沸騰しそうなくらい、脈打つのを感じる。

ーーー動揺を見せるな。不安を見せるな。笑え。悠然と。

小型カメラをテーブルの上に置いたユナは、そっと、胸の前で両手の指先を合わせる。

それから、ゆっくりと、両の口角を持ち上げた。

「やっぱり、先生だったんですね」

C「な、なんのことだか」

「薄々、もしかしたらそうじゃないかなって、思ってたんです」

C「違う、私は関係ありません」

「…最初の写真を見た時に、それがいつ、どこで撮られたものなのか、すぐに気づきました」

C「、は？」

心臓の鼓動が、うるさいぐらいになっている。

それでもユナは笑みを浮かべたまま、言葉をつづけた。