#03-1 JK ページ14
3月下旬のある日。
ジョングクたちはその日の仕事を終えると、宿舎ではなく、先日ユンギが購入したばかりのマンションの一室を訪れていた。
ダイニングテーブルには、ジンとユンギの手料理や、各々が持ち寄ったお酒やつまみが所狭しと並べられている。
それぞれの席に食器を並べながら、ジョングクはキッチンへ視線を向けた。
キッチンにはオーブンの前に立つ、ユンギと。それからーーーユナの姿がある。
熱心にオーブンを覗き込むユナを見るユンギの目はどこまでも優しい。
きっかけは「今年はユナちゃんといつ会うの?」というジンの何気無い一言だった。
ジョングクはそこで初めて、ユンギたちが誕生日当日とはいかなくても、お祝いに食事に出かけていたことを知った。
今年の誕生日を日本で迎えたユンギが、帰国後にユナとお祝いをする約束をしていることを聞きつけたテヒョンが、「僕たちもお祝いしたい」と言い出したのだ。
最後まで「ユナが緊張するから」と難色を示していたユンギだったが、結局彼は弟の押しに勝てず。
あれよあれよという間に、メンバー全員が仕事終わりにユンギの家に集合することが決まったのだった。
ジョングクたちに少し遅れてユンギの家にやってきたユナは、リビングに揃ったBTSのメンバーを前に、緊張した面持ちだった。
それでも人懐こいテヒョンやジン、ジミンに話しかけられたユナは、少しずつ緊張を解いていって。
ユンギの隣でにこにこと笑顔を見せるようになった。
JM「ユナちゃんはいつもどういうトレーニングをしてるの?」
YN「、基本はバーレッスンとストレッチです。パフォーマンスに必要な筋肉は、踊ることで一番鍛えられるので、筋トレはあまりしません」
JM「なるほど。それは一理あるね。やっぱり基本はバレエなんだ。僕もトレーニングに取り入れようかな」
YN「ジミンさんは普段どうやって体づくりをされているんですか?」
JM「僕は筋トレもするよ。あとは食事制限とか。体型維持はナムジャよりヨジャの方が大変なんじゃない?」
YN「んん…どうでしょう。わたしはわたしのやり方で慣れてるので、大変だと思ったことはありません」
特に、同じジャンルを得意とする者同士だからか、ジミンとユナはトレーニング談義で話が弾んでいるようだ。
熱心に言葉を交わす二人を見ているのは、何だか面白くない。
とはいえ話に入る勇気もなくて、ジョングクは黙って二人の会話を聞いていた。
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作者名:kamome | 作成日時:2023年1月16日 17時