甘さ【阿伏兎side】 ページ3
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阿伏兎「本来俺と団長以外は団体部屋なんだが、お前さん女一人だとアレだしなァ…」
一つ空き部屋渡すか…なんて思って部屋へ向かってると、後ろから慌てた声が聞こえた。
「え?!女って私だけなんですか?!」
阿伏兎「ああ。あんた、苦労するぜ」
「そんな……」
阿伏兎「自分の身は自分で守れよ。おじさんは忙しくてそこまで目が回らねェからな」
何かを考えるように、女は自分の手を握っている。
「…あの、これから私、ここでどう生活していくんでしょうか」
阿伏兎「そりゃ、俺たちには一つしかないだろうよ」
戦闘民族として生まれた俺たちの生活には常に戦いが、血の匂いがつきまとっている。生まれ持った定めみたいなもんだ。
「戦うなんて…誰かを殺すなんて、私出来ません…」
阿伏兎「んなら死ぬだけだ。足でまといになる前にな」
そんな甘ったるい考えじゃ生きてけねェぞ、この嬢ちゃん…団長は一体何が気に入って入れたんだか…
ひとつ溜め息をついて足を止めた。
阿伏兎「ここの部屋、好きに使え」
「はい…ありがとうございます」
阿伏兎「…死にたくないならお前さん、A、だったか? 強くなれよ」
「…」
何も言わず俯くAに背を向けて仕事へ戻った。
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さな(プロフ) - Kさん» 返信遅くなりごめんなさい(><)すごく励みになりますありがとうございます! (2018年2月7日 3時) (レス) id: e49a683dbf (このIDを非表示/違反報告)
K - とてもおもしろかったです。続き頑張ってください! (2018年1月6日 10時) (レス) id: ca61ce99c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さな x他1人 | 作成日時:2017年12月20日 1時