諦めの淵に ページ15
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痛い。苦しい。痛い。
もうどのくらい時間が経ったかも分からない。何度も繰り返し殴られほとんど自力で立ててはいない。
私を掴んでいた3人に突き放され、地面に倒れ込む。
早く、逃げなくちゃ…頭では分かっていても体がもう追いつかなかった。
『殺すのは遊んでからにしてやるからな』
髪を掴まれ男の不気味な笑みが目の前に来る。
「いや、だ…、やだ」
『けっ、こいつ泣いてやがるぜ。強いっつーのも噂だけだな』
勢いよく服を破られ体をまさぐられる。
「やだ…いや、…」
団長の言葉を浅はかに聞き流した自分を恨んだ。全部団長の言う通りだったんだ。私が簡単に人を信じるから、だから気にかけてくれてただけだったのに。
…もう、駄目かも…
なにもかも諦めて、目を閉じた。
1分が1時間に感じるほどの苦痛で、時間の感覚が分からない。ただひたすら、早く終わりが来るのを待つしかなかった。
その時、ドカンと大きな音が鳴った。目を薄ら開けると誰かが扉を突き破って入ってきている影が見えた。
『な!なんで…!』
誰……?
団員等らしき人達が殴り飛ばされていった。誰かも見えず朦朧とした中で、その"誰か"に抱き抱えられる。
「団長…、だんちょ、」
まだ誰かも見えていないのに 私は、ずっと来て欲しかった。ずっと待っていた人を呼び続けていた。
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さな(プロフ) - Kさん» 返信遅くなりごめんなさい(><)すごく励みになりますありがとうございます! (2018年2月7日 3時) (レス) id: e49a683dbf (このIDを非表示/違反報告)
K - とてもおもしろかったです。続き頑張ってください! (2018年1月6日 10時) (レス) id: ca61ce99c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さな x他1人 | 作成日時:2017年12月20日 1時