【実況者】こちら、本拠地です。 (ページ10)

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#07 ページ10

母と自分の分の夕飯を作り、ラップをかけ放置し風呂に入り布団にくるまる。まだ私の仕事は残ってるけどね。偶には逃げたくなる。
どうしようもない、本当に。
結局パソコンを起動させると青鳥サイトの通知には沢山のアンチ。
どうせ消えることはもうないのだからと最近は諦めている。

何をどうしようと無駄だから

あのイベントに出てから爆発的に増え今も少しずつだけだど増え続ける。ずっと前にあったあの騒動に巻き込まれなかったからこそこの程度で済んでいるのかもしれないが巻き込まれてたらたぶんもっと増えてると思う。いや確実に。思考がどんどんマイナスの方へ向かっていくのを頭を振ってどうにか軌道修正した。

「いっけね…」

布団から這い出てキーボードを叩き編集をする。よくよく考えたら私五年くらい同じことをしてるんかーすげぇなー私。と勝手に自画自賛しながら進めていると着信が入った。特に何も確認せずに出る

「はいもしもし」

「もしもしレインちゃん？」

「レ、トルトさん…？！」

もう数ヶ月前に会話したっきりでトーク画面が止まったままの人物がいきなり電話をかけてきたものだから若干言葉が詰まった。ついでにお茶も詰まった。
軽く咳をして、喉の調子を整えて

「どうしたんですか？ほんとに急に…」

今レトルトさんはキヨさんと主催するイベントの打ち合わせとか実況動画で忙しいはずなのに何故に今…ってかカラオケに行ったどっかの誰かさん達とは違う…そんなことを思っていると

「いや暫く連絡とってないから大丈夫かなって」

「あ、そういうことですかご心配頂きありがとうございます」

なんだそんなことがTwitterのDMでもいいのにと思ったがお首にも出さずちゃんと答える。

「ところで今度会わない？」

……接続詞がまるで合ってないぞレトルトさん。どこがところでなんですかどこが。脳内ツッコミをしつつ直ぐに切り返す。

「断ります」

「相変わらず連れないなー」

「ほっといてください」

電話越しに苦笑いされ分かってるなら最初から誘わなければいいことなのに、と本心から思う。それに、と続け

「私まだ学生なんですよ？来週からテスト一週間前なので」

「そっかー、まだ学生さんなんやっけ」

あんたと初めてあった時私中二だったろ、と再び脳内で突っ込む。この人は何処か掴みづらい箇所がある。なので正直苦手だ。
丁重に断り、電話を切る。

「あの時のこと関係ない、よね？」

その呟きは誰に聞かれることなく消えてった。