ベース練と用事 2 ページ4
2歩ほど先に行くせらさんの背中を見ながら夜の街をしばらく互いに無言で歩いた。
せらさんが立ち止まりとある建物の扉を開ける。
「ここだったはず…」
そう呟き中に入っていく。
中はお洒落なバーであまりお客さんもいなく静かな雰囲気だった。
「用事ってなんですか？」
ずっと疑問に思っていたことを口に出すと苦笑に似た表情で
「ちょっと愚痴、聞いてもらおうと思って」
「いいですよ。前に聞いてもらいましたし」
せらさんはビール、私はジンジャーエールを頼む。
しばらくすると曇りひとつないガラスに注がれた液体が出てきた。
一口のみ唇を湿らせてから口火を切る。
「で、愚痴って？」
「実は…」
暫くかかったので纏めると
・絵のクオリティが落ちてきたこと
・キーボードが上達しなくなったこと
それをいつものせらさんらしからぬ鋭い口調で言ってきた。
けれど、その後は弱々しい口調で
「僕なんて…いらないかな…」
ぼそぼそと聞こえないように言ったつもりなのだろう。
けれど、バッチリ聞こえてるよ。
気がつくと手が動いて勝手にせらさんの頭を撫でていた。
「いらない人なんて、いないと思いますよ」
思考が正常に回らないまま言葉を紡ぐ
「せらさんは、わくバンの作曲とか担当で、いつも和やかな雰囲気にしてくれるし、イラストだって…みんなより上手いと思いますよ…少なくとも私は」
言葉足らずは変わらない。
必死に黙ったままのせらさんに言葉をかける
「せらさんもろ大事な人です。私にとっては」
けれど、割としっかり届いたようで
「ありがと…」
すん、と洟を啜る。
幾らか吐露して楽になったのかもしくは酔い潰れたのか、そのまま寝てしまった。
…回収どうしよう…
軽く絶望的な気持ちが生まれた。
肩で支えながら結局自分の部屋に入れることにした。
ーーーーー
オチ迷子
そして亀すぎる…
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RKS(プロフ) - みろくさん» ありがとうございます！ (2018年4月4日 20時) (
レス) id: d709a2b816 (このIDを非表示/違反報告)
みろく - 今更ですが続編おめでとうございます。ゆっくりでもいいので更新頑張って下さい！応援してます！ (2018年4月4日 9時) (レス) id: 189a8b67c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RKS | 作成日時：2018年3月11日 18時
