私を救ってくれたのは

にじゅうさん ページ24

夏樹said


花江A
俺が９歳の頃にAは居なくなった。


その日は冬の割には暖かい日で、友達と鬼ごっこをして遊んでいたんだ。そしたらAが一緒に遊びたいって遊びに混ざることになった。

正直嫌だった。友達と遊んでいたのにAがいることでみんなに迷惑がかかるし、A中心の遊びになるのが嫌だった。だからAの事なんか考えずに鬼ごっこをして遊んでいた。


Aが鬼になった時にはみんな軽く走ったりしていたが俺は本気で走って煽ってAを泣かせた。
こういう事になるから嫌なんだ、みんなに責められて少しAにイライラしてた。

それからは何も無く、遊んでいたが、俺だけはAに強く当たり続けた。


またAが鬼になった時急に雨が降り、雷が鳴り始めた。俺は友達と急いで家に帰った。
しかし、その場にはAいなかった。置いてきてしまったのだ。
俺はイライラしてたので迎えに行かずに家でゴロゴロしていた。
それからテレビを見たり、おやつを食べたりしていたがそれが間違っていた


10分待ってみても帰ってこなかった。
さすがに心配になり土砂降りの中傘もささずに走ってAを探しに行った。


探してみたがAは見つからなかった。Aが雷が嫌いな事を知っておきながら俺は置いてきてしまった……
俺は暗くなるまで探し続け、帰ってきた時には服は雨で重くなり体は冷えていた。おまけに叫びすぎて喉が痛くなっていた


夏樹「ごめんなさい、Aが居なくなっちゃった……俺が、おれがｯ」

母「大丈夫よ、夏樹はお風呂に入っちゃいなさい、探しに行ってくるから。ちゃんと温まるんだよ」

夏樹「うん」


俺はお風呂に入るために脱衣所に向かったが、リビングに用事があり、戻るとお母さんが電話をしていた。Aの話をしていたのできっと警察に電話をしているのだろうと思っていた。


母「Aには何もしないで！それが約束でしょ」

母「ダメだったら今ちょっとでいいからAと話させて！」

母「確かに5歳まで預かる約束だったけどAは私たちの家族なの」


誰とお話してるの？Aは見つかったの？


夏樹「ねぇ、今話してるのはA？Aはどこにいるの？」

母「Aは見つかったよ大丈夫だからお風呂入ってらっしゃい」


俺はその日なかなか眠れず、次の日熱を出した。

その日からAが帰ってくることはなかった。

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