#11(カイトミヤチカ) ページ12
Aちゃんの気持ちを聞ける!と思ったのに俺と同じパーを出したのは松倉。
落ち込んでいたのは俺だけじゃないみたい。
〈はあ、〉
「そんな分かりやすく溜息つくなよ」
〈ごめん、そんなつもりは〉
「俺だって松倉じゃなくて、」
〈Aが良かった、よね?〉
「松倉も、?」
〈うん、俺も〉
松倉もやっぱり同じ気持ちだった。
〈どうしよ、今頃海人といい感じになってたら、〉
「元恋人だし、ワンチャンあるよ、ね?」
〈そうだ、海人一歩前に出てるんだった、あ〜もう!!〉
「ま、そんなん考えても変わんねえよ、俺らは楽しく歌お」
〈そうだね!よし!愛のかたまり〜、え?無いの?〉
「happiness入れていい?」
カラオケ付きの観覧車で良かった。じゃないときっと松倉も気づいてしまったから。
海人とAちゃんの顔がすごく近くにあった事。
なにやってんだよ海人。なんでAちゃんのこと傷つけたのにそんなに近くにいるんだよ。
俺には到底近づけないあの距離を、どうしたいとも簡単に詰めてしまうんだよ。
このままじゃAちゃんを海人に取られてしまうかもしれない。そんな焦りとは裏腹に、観覧車から降りた2人の距離は僅かだが、離れていた。
またAちゃんのこと傷つけたのかな、
あの時は頼ってもらえなかったけど、今度は俺が守りたい。
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作者名:みるく | 作成日時:2019年11月8日 23時