Halloween Masquerade (ページ3)

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episode１ページ3

『お母さんっ！お母さんっ！！』

私はあの日、泣いていた。

学校から帰ると母親が死んでいたからだ。

『お母さんっ！！目を覚ましてよっ！！お母さんっ！！』

貧乏だった家は、プレゼントなんてもらえなくて、初めてもらったプレゼントがランドセルだった。

嬉しくて嬉しくて、毎日大切に大切に背負い続けた真っ赤なランドセル。

そんなランドセルよりも黒に近い液体が床を覆い、私のランドセルは四年も背負われずに一生を終えた。

｛A～？そろそろ学校行ったらどうだ？ま、無理はしなくていいから。辛かったらいつでも言えよ？｝

小学生ながらに不登校になった私は、ランドセルを売り、近くの食堂で皿洗いをし、お金を貯めていった。

高校生になる年齢になる頃には家が三軒建つくらいには貯金が増えていた。

そこで私は家を出た。学校にも通っていない私は毎日仕事に精を出した。

小さな子供が森に近づけば、森がどんなに恐ろしい場所か紙芝居で教えたり、お年寄りのもの探しを手伝ったり。仕事以外のことにも一生懸命だった。

でも、ダメだった。

《Aちゃん！！お父さんが、マフィアにやられたって、！！》

母親と同じような形で父親までもが殺された。

2人とも、同じマフィアにやられたようだ。

どんなに頑張っても無駄なんだ。そう諦めたのは、10月の中旬だった。