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重｢簡単に人を売った俺が生き延びて、
最後まで仲間を守ろうとした神ちゃんが……っ！｣
貴｢……｣
重｢なんで、なんで神ちゃんが……、俺なら……、俺なら良かったのに!!｣
貴｢……それは違う。｣
重｢何が違うん!?俺は裏切り者や！
簡単に奴らに遊ばれて、仲間傷つけて、
何としても守りたかった神ちゃんのことも守れへんかった！
俺に、生きる価値なんてもうないんや!!｣
私は、背中に回した手に力を込めた。
貴｢神山さんは、本当に立派でした。
自分に死が迫っていることが分かっているのに、私達のことを守りきってくれた。
だから、そんな立派な最期だったから……
私は、神山さんの死を無駄にして欲しくない。｣
重｢……え？｣
貴｢神山さんは最期まで仲間を守りました。
その仲間には、当然重岡さんも入っている。
だから、重岡さんが自分の命を大切にしないと、彼の死は無駄になってしまう。
それに、あなたは1人じゃない。まだ仲間が居るじゃないですか。
今度は、あなたが彼らを守ればいい。
それが、神山さんのためにできる精一杯の恩返しだと思います。｣
重｢……今更、合わせる顔なんか……｣
貴｢だったら謝ればいい。
許してくれないと言うなら、私も一生懸命訴えます。重岡さんの気持ち。｣
重｢なんで、そこまでしてくれるん？｣
重岡さんは私を離し、向き合った。
貴｢……後悔、してほしくないからです。｣
重岡さんは怪訝そうに眉をひそめる。
重｢後悔？｣
貴｢……少し、昔話に付き合ってくれませんか？｣
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