ESCAPE GAMEⅡ (ページ18)

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貴「……これは……」

重岡さんが扉を開けた先にあったのは、小さな、私とほぼ変わらないくらいの人影。

動かずに横たわっている"ソレ"は、ただ眠っているのか、あるいは……。

重「びっくりした？」

貴「なんで、この子がここに……？」

……大西くん。

貴「説明して頂けますか？」

重「説明しろって言われても……、そういうこと、やな。」

曖昧に答えた重岡さん。詳しく問いただそうと彼の方に振り向こうとしたその時だった。

貴「っ！！？」

鳩尾に衝撃が走った。鍛えられた重岡さんの腕から放たれたそれは、喧嘩の経験もない私には初めての衝撃で、思わず床に座り込んだ。

重岡さんは身動きの取れない私の腕を掴み、今のパンチからはかけ離れた優しい声色で私に話しかける。

重「ごめんやで。俺もやりたくてやってる訳やないからさ。用が済んだら迎えに来るわ。」

貴「待って……っ……ちゃんと、説明して。」

私の声を無視し、重岡さんは私を物置の中に押し込んでいく。

多少の抵抗も無意味らしく、無情にも扉は勢いよく閉まってしまった。

真っ暗闇の中、扉の向こうから彼の声が聞こえる。

重「申し訳ないから、せめてもの償いで君にだけは教えとくわ。"裏切り者"は俺やで。

ま、気付いてるか。」

ハハッと陽気な声を残し、重岡さんの足音は遠ざかっていった。