ESCAPE GAME

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「ふぅ〜……」







風呂に入って、準備をすべて終えて、ココアを飲む。





私の数少ない楽しみの一つである。






今のところ、依頼は来ていない。久々に休みが入った。





望くんの依頼と平行して別の事件も取り扱っていたから。







この町は治安が悪い故に、そういった仕事はいくらでもある。




だから、最近はずっと働き詰めだった。先週もMr.小瀧のせいで休めなかったし。






明日は大学も休みだから、久しぶりにゆっくり寝れそうだ。







ーーーﾋﾟﾛﾝｯ





「ん？」






ケータイの画面に、一つ通知がきている。






……仕事か？







せっかくの休みだったのに、と心の中で軽く舌打ちをしながら、メールを開く。







しかし、メールの文面は、予想していたものとはかけ離れていた。








『 山本A様





第二回、“ESCAPE GAME”の準備が整いました。




前回と同じく、こちらから迎えに上がります。





時刻は、00:00ですので、準備等は済ませておくようにとのことです。




ルールは、あちらで係の者が説明致します。





では、今回も頑張ってクリアしてくださいね。




ご検討お祈り致します。』







……はあ？意味わかんない。ただのイタズラやん。






でも、これは初めてじゃない気がして。何故か分からないが、気分が高揚していくのが分かった。







「………つーか、準備って何よ。」







あれ、私やる気満々じゃん。







「ESCAPE、GAME、っと。」







私は、予定はすべてホワイトボードに書き込むタイプ。






今回もホワイトボードの余白に書き込む。






たとえそれがイタズラでも、私の性格がそうさせるんだ。






書き終わり、ペンをポケットにしまい、寝る準備をする。








私が出来る準備なんてこれくらいだ。

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