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腹を充たす ページ29

腹の袋に目いっぱいを詰め込んで、それでもまだ足りなくて

針の先程しか吐き出せないのにそれの何倍も何倍も取り込んで

その度にたくさんの想いが体を駆け巡って
胃が栄養素を吸収して体を構築する


こんなにも幸せでいいのだろうか


さほど大きくもないこの腹に沢山のものを貰って

喰い切れずにこぼしてしまって
その度に掬い戻してくれて

せめてこの、薄い肉を割いて直接詰め込んでしまえれば良いのに



そうすればもっといっぱい



貰ったものを少しずつ咀嚼して

少しずつ消化して

今やっと全ての味を覚えることが出来たから


…これが、皆にとって最高の夕飯になれば


高くない調味料で

珍しくもない食材で

つくれる限りの、豪華でなくとも最高級に美味しいものを



「………腐る前に」

ひたりとした温度→←大きな勘違い



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作者名:でん太郎 | 作成日時:2022年10月9日 15時

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