phantom thief Story ２ 〜貴女はどの怪盗に奪われますか？〜

ヒーロー (年下敬語の怪盗 まっちゃキャンディー様リク) ページ19

「おいおい、お嬢さん泣いちゃってるぜ？
これからいいことしてやるからよ〜」


「……いや…ッ！触らないで！」




分かってる、こんな時に助けに来てくれるヒーローなんて本当はいないって。
でも、でも。無力な自分はこうやって人に助けを求めるしかできなくて。
男の手が私の肌に触ろうと近づいてくる。



……誰か……ッ！



「グワッ！？」


ドスンッ！



私の服に手をかけていた男が横に吹っ飛んだ。
隣を見ればこぶしを突き出している……庭師の彼が。
なるほど殴ったんだ、男を。






「……お嬢様、ただいまお迎えに上がりました。
帰ったら一緒にお花見に行きましょうか」






「てめぇ、何者だぁ！帰れると思うんじゃねぇぞ、このガキがっ！」





お嬢様。そう微笑みながら言った彼の両方の手首を男２人がそれぞれつかむ。
大変、これじゃ…ッ！
彼がボソッと低い声で言う






「人間というのは、数で攻めればどうにかなると思う生き物らしいですね…
確かに手首をつかめば有利になるでしょう……普通の場合はですが……よっと…っ！」






ダァンッ！！





彼はつかまれた状態で
両手を引き自分は膝をついてしゃがみ込む
するといい音を立てて男二人は
くるっと回転し腰から床に落ちていった。









「……さて、次どうぞ？」









無表情で眼だけを光らせて言い放つ
その言葉を合図に男たちが一斉にかかっていった。

ヒーロー (年下敬語の怪盗 まっちゃキャンディー様リク)→←ヒーロー (年下敬語の怪盗 まっちゃキャンディー様リク)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す