いのちだいじに【鬼滅の刃】

起 ページ19

「起きろ 起きるんだ 起き…オイ

オイコラ やいてめぇ やい！！」

「いつまで寝てんだ さっさと起きねぇか！！」

後藤が竈門を叩き起こす。

然し其れを榊が止めた。

『そんなに怒鳴ったら可哀想やろ。
その子も昨日の那田蜘蛛山の任務にいたんやから……
もうちょい優しく起こしてやり』

「えっ、あ、スミマセン！！」

(いや、怒ってはないんやけどな……)

あまりにも周りが五月蝿かったからだろうか、件の竈門炭治郎が漸く目を覚ました。

「あ、お前、やっと起きたか！
早くしろ、柱の前だぞ！！」


(柱…？柱って何だ？何のことだ？

この人たちは誰なんだ？

ここはどこだ？)

竈門の心を読んだかのように胡蝶が言う。

「ここは鬼殺隊の本部です
あなたは今から裁判を受けるのですよ

竈門 炭治郎君」


────裁判は彼が鬼の妹、竈門禰豆子を連れていたことに対するものである。

「裁判の必要などないだろう！
鬼を庇うなど明らかな隊律違反！
我らのみで対処可能！鬼もろとも斬首する！」

「ならば俺が派手に頚を斬ってやろう
誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ
もう派手派手だ」

(えぇぇ…
こんな可愛い子を殺してしまうなんて
胸が痛むわ 苦しいわ)

「あぁ…
なんというみすぼらしい子供だ 可哀想に
生まれて来たこと自体が可哀想だ」

(何だっけ あの雲の形
何て言うんだっけ)

柱は口々に言う。

……一部全く関係ないことを考えている者もいるのだが。

意見は三者三様と言ったところだが、大方一致している様だ。

────竈門炭治郎を、処罰するという方向で。

「殺してやろう」
「うむ」
「そうだな 派手にな」

(全く……鬼殺隊が、鬼でもない相手を殺してええんか？)

だが、今回ばかりは榊は口を挟むことが出来ない。

何故なら、榊も鬼を連れている。

然も、元十二鬼月。

榊は今回中立な立場ではないのだ。

勿論、裁判には参加するが、お館様である産屋敷の采配に任せることになるだろう。

(禰豆子！！

禰豆子はどこだ 善逸 伊之助 村田さん！！)

竈門が那田蜘蛛山で共に戦った仲間を探し、辺りを見回していると、伊黒が口を開いた。

「そんなことより冨岡はどうするのかね」

「！？」

「拘束もしていない様に俺は頭痛がしてくるんだが
胡蝶めの話によると隊律違反は冨岡も同じだろう
どう処分する どう責任を取らせる どんな目にあわせてやろうか」

(伊黒さん相変わらずネチネチして蛇みたい
しつこくて素敵)

(後半はほぼ私怨やな。)

雫→←〃

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