せめて今日だけは消えないで3 ~fin~ 【ARS】 (ページ7)

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和side

移植を受けてからかなり長い時間が経過した。

血液も順調に置きかわっているらしい。

一回だけ高熱と肺炎で死にかけたけど、回復できた。

後からみんなから聞いた話では、その時は俺が寝るまでずっと電話を繋いで話しかけてくれていたらしい。

らしいっていうのは、正直その時のことは全然覚えていないからなんだけど。

今は元いた病室に戻って相変わらず暇な毎日を過ごしている。

早く退院したいなぁ。

翔「ニノー！ニノー！」

バタバタと足音が聞こえてきたと思ったら翔ちゃんが飛び込んできた。

和「ちょっ、翔ちゃんどうしたの？」

興奮した様子で入ってきた翔ちゃん。

いつもの10倍はテンションが高い。

翔「退院許可出たよ！1週間後に退院できるって！」

和「うそっ…！」

翔「ほんとにおめでとう」

和「ありがとう、やっとかぁ」

翔「長かったよなぁ」

すごく嬉しかったけどようやくここまで来たか、という思いのほうが強い。

2人して感慨深い気持ちになってしまう。

和「でもそこまで良くなったってことでしょ？俺の体」

ぽんっと自分の体を叩く。

翔「そのとおり、もう家に帰っていいし、気をつければ外出してもいいらしいからね」