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ふと、停止した阿部の動きに佐久間は不審に思った
sk「阿部ちゃん、？」
ab「違う、違う！あの人は、宮舘さんは、初めましてって、！だから！」
nb「阿部、」
混乱し続ける阿部の傍に、風呂から上がったばかりの渡辺は寄り、その顔を平手打ちにする
あまりの事に、その場に居た全員は動揺した
nb「それが涼太の異能力(ギフト)の力だ」
iw「お、おいっ…翔太っ、」
ab「…じゃぁ、なに、？俺は、利用されたって、こと？」
sk「あ、阿部ちゃ…」
佐久間が阿部の腕を掴もうとした瞬間、阿部はその身を退く
それと同時に、
nb「あ、？」
iw「はッ!?」
部屋の電気が全て消え去った。岩本は瞬時に、それが阿部の【電子分離(エレキネシス)】の仕業だと分かった
向井が砂時計を回し、電球のみ時間を戻した。それならば、全て戻せばよかったと、向井は後悔する
sk「あべ、ちゃん…？」
その場に阿部の姿は無かった
まるで、闇に飲まれたかのように、忽然と姿を消した
iw「しまった、！」
nb「おいおい、どういうことだよっ」
sk「阿部ちゃんッ！阿部ちゃん何処っ!?」
ru「さ、くまくん!?」
佐久間は状況を理解した瞬間、辺りの扉を開きまくる
しかし、何処にも阿部の姿は見当たらない
その現実に、佐久間は座り込んだ
sk「お、れの…せいだ」
iw「佐久間ッ、」
sk「俺が、俺があんなこと言わなきゃ、!!」
涙を流す佐久間を渡辺は呆然と見ている
その姿が、過去の自分と重なり、渡辺は居た堪れなくなった
nb「ご、めん」
sk「っ、ぅ"ぅ"ッ、ぁ…」
iw「っ、向井！時間を！」
岩本は振り返り、深澤の傍に居る向井に「時間を戻せ」と頼もうとした。しかし、無情にも、
kj「無理やで」
iw「なんでだよっ!!」
向井はその願いを拒否したのだ
その言葉に逆上した岩本に胸倉を掴まれた向井は、冷たい視線を送りながら淡々と答える
kj「俺が砂時計を使うんはふっかさんか自分のためや。それが約束やったからな。それに、阿部くんを攫ったんわ、めめやろうし…干渉出来ひんよ」
iw「はぁ!?」
パシリと岩本の手を払い、また向井はそのまま深澤の元に向かう
その姿を見て、やはりラウールも岩本も違和感を感じていた
彼はやはり、何処かズレている、と
kj「ふっかさん起きてまうやろ、話し合うなら別の場所でしてぇや」
彼等を見ることなく向井はそう言い放つ
深澤、ラウール、そして向井の導入により
そうして確かに、五年ほど続いた【Snow/Man】の絆には大きな亀裂が入ることとなる
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作者名：賭果 | 作成日時：2020年6月5日 22時
