脚色 (ページ5)

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nb side

照との任務で【永続凍結地区アナスタシア】なんていう研究所に来ているんだけど…、
折角、透過(ダイヴ)で隠密行動をしてたのに、初っ端から照がやりたい放題し始めた

nb「お前っ！いくらなんでも爆発させ過ぎだ馬鹿！」
iw「無駄な殺しはしたくねぇんだよ、こうすれば下手な研究員はすぐ脱げ出すだろ？」
nb「だからってお前な…お前の異能力(ギフト)は強すぎるんだからもっとセーブしろよっ！」

照の異能力(ギフト)。それは、【原子操作(メルトダウナー)】だ。エネルギーや原子、ベクトルなんかを司って操る異能力(ギフト)。それによって、照はさっきから空気中の原子を操り、爆発を起こしている。強すぎる異能力(ギフト)だから、普段は基本セーブして使ってるはずなのに…、

逃がすため、無駄な殺しを避けるため、なんて言いながら本心はきっと、この研究所への憎しみなのだろう。異能力(ギフト)を悪用し、利用する人間を恨んでいるのだから…

ab『翔太、照、調子はどう？』
nb「どうって…阿部からも何か言ってやれよ！見てんだろ!?」
sk『まぁまぁ翔太、照の好きにさせてあげようよ～っ』

阿部が精神感応(テレパシー)で接触してきたと思ったら、横から佐久間が茶々を入れてくる。その照を鎮めんの俺でしょ？嫌だよ、めんどくさい

ab『でも、爆発に乗じて電子分離(エレキネシス)が出来たからやりたい放題できるよ』
iw「阿部、目当ての研究室は？」
ab『【禁忌の異能力者(ジゼル)】の研究室がその先にあるから、まずはそこから！でも、そこの研究室のカメラに侵入出来なかったから中の様子が分かんない、気を付けて』

阿部の言葉に、俺達はお互い気を引き締めた。そのまま先に進むと、確かに厳重そうな金属の扉がある。電気系統で管理されてるみたいだけど、照が原子分解(メルトダウン)で扉を破壊した

俺も身を構えて、いつでも異能力(ギフト)を発動出来るようにする。二人して研究室の中に慎重に入り込むも、そこに広がっていたのは…、

　一面が真っ白な部屋と割られたガラスの壁、そしてその割られたガラスの破片のみだった

iw「…、阿部」
ab『どうしたの？照』
iw「誰も居ねぇ…ていうか、逃げてる」
ab『は、ぁあぁああｯｯ!?!?!???!』
nb「うわっ、うるさ…」
sk『逃げてるってどういうこと？阿部ちゃんすんごい顔になってるけど…』
iw「そのままの意味、多分…俺達の騒動に乗じて、逃げだしたみたい」

俺も照も、天を仰ぐしかなかった
　