脚色 Ⅱ (ページ48)

今日:26 hit、昨日:40 hit、合計:128,110 hit

▼5-16 ページ48

ラウールたちの傍ら、渡辺と佐久間は未だにどのオムライスを食べるのか喧嘩をしていた
しかし、そんな彼等を制したのは誰でもない宮舘である

dt「このふわふわの特製オムライス二つはラウールくんと深澤さん用だよ」
nb「えっ!?」
sk「ふっかとラウール用!?」

渡辺と佐久間はショックを受けたように椅子に座り込む。名前を呼ばれたラウールと深澤はきょとんとしながら二人して宮舘を見上げた

dt「二人はオムライス食べたことがないんでしょう？なら、腕によりをかけて作ってあげたいなって思ったんだよ」

宮舘はそう言うと、深澤とラウールの方にふわふわのオムライスを置いてゆく。美味しそうな湯気が上がるそれを見た二人はごくりと喉を鳴らす

kj「えぇなぁ、俺もふわふわのオムライスがえぇ…」
iw「固まると勿体ないから先に食べな？」
　「「い、いただきます…っ！」」

二人は岩本の言葉を皮切りにスプーンを持ち、熱々のチキンライスとふわふわの卵を掬って口に運ぶ。もっきゅもきゅと咀嚼している二人を見て、宮舘は何処か庇護欲がそそられた
ごくりとそれらを飲み込んだ二人はきらきらとした瞳をして宮舘の方を向く

fk「う、うまっ、へ!?おいしいっ!!お店の味みたい!?」
ru「お、おいしぃ…れふっ…!!」
dt「そ、そっかぁ…そんなに喜んでもらえると作った甲斐があるよ」
nb「俺も食べるっ！！」
sk「俺も俺もっ！」
iw「オムライスは逃げねぇだろっ…」

二人の様子を見ていた佐久間と渡辺も同じようにオムライスを口にする。そんな姿を見て岩本は呆れたように笑っていた
微笑ましい風景を見詰める向井はおもむろに自分の鞄からカメラを取り出し撮影を始める

nb「うわっ!?うまっ、！」
sk「にゃははっ！翔太いっつもそれだなぁ…、康二は何撮ってんの？二眼レフ…？」
kj「そうやね、こんな良い雰囲気やもん、撮らな損やん？」

向井は満足そうにパシャパシャと撮影をしてゆく。岩本も同じようにオムライスを口に運びながら、時折ぽろぽろと零すラウールの口元を拭っていた。その風景を見た深澤は宮舘を見遣り、

fk「…良かったね、舘さん」
dt「えっ…？」
fk「んーん、オムライス美味しいよっ」

深澤は思う。宮舘がこちら側に来れて本当に良かったと。そして、本当の闘いはこの先に待っていると…、

iw「…、あ、そうだ。改めて自己紹介しねぇとな」
sk「確かに！それにさ、二人の愛称とかも決めたいよねっ！せっかく仲間になったんだし！」

岩本の提案に全員が頷いた