脚色 Ⅱ (ページ47)

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寝息を立てて安らかに眠る道枝を自分の横に寝かせ、毛布を掛けると、深澤はぼーっとしながら天井を見上げた
彼に絞められた首にはきっと手形が着いているに違いない、どう言い訳しようか…なんて思っていると寝室の扉がゆっくりと開く。其方に視線をズラすと、岩本の姿があった

iw「ふっか、？」
fk「…照」
iw「大丈夫か？」
fk「…うん、なんとか落ち着いたよ。大丈夫…でも道枝くん眠かったみたい」
iw「そっか、今…宮舘が飯作ってんだけどふっかはどうする？」
fk「行こうかなぁ、安心したらお腹空いちゃった」

岩本の申し出に、深澤は照れたように笑いながらお腹を撫でていた。そんな彼を、岩本は愛おしそうに見つめる。この期間で岩本は、深澤に何かしら特別な感情を抱いて、大切に思い始めたのだ

そんな岩本の心情に気が付くことなく、深澤はベッドから起き上がり共にリビングへと向かった

▼▽▼

リビングでは、既に宮舘によるオムライスが出来上がっており、机に並べられていた。そしてその中のどれを食べるのかで渡辺と佐久間が喧嘩をしている

sk「俺もそっちのふわふわがいいでやんすっ！」
nb「ダメだっての！これは俺用に更に涼太がふわふわにしてくれたヤツなんだからっ！」
sk「きーっ!!いくら幼馴染だからって不公平だぞ！」
iw「何してんの…」

そんな二人の様子に岩本は呆れながら席に着く。深澤もくすくすと二人を笑いつつ席に座れば、その両サイドにラウールと向井がやってきたのだ

ru「ふっか、さん…だいじょ、ぅぶ？」
fk「うん、ごめんなラウール…心配掛けて」
kj「ラウ、めっちゃ悲しんどりましたよ！みっちーはどないしました？」
fk「道枝くんは寝かせてる…って康二、お前ラウールと和解したの？」
kj「えぇ！もう仲良しこよしですわっ！」

「ねぇー！」と二人は顔を見合わせて楽しそうに笑う。その姿に深澤も嬉しそうにしていた。すると、ラウールは思い出したかのように自分のポケットからあるものを取り出す

ru「ふっか、さん…これ、わかり、ます？」

それはあの交戦の後にラウールが見付けた影人形だった。小さいそれは「ぴぃっ、ぴぃっ」と泣きながらラウールの手のひらで座り込んでいる。それを見た深澤はあの時の向井同様に驚いた表情を浮かべた

fk「ラウールが見付けたのか？」
ru「はい、っ！」
fk「そっか…そっかぁ、…」

小さく泣いているそれを見詰めながら、深澤は泣きそうな声でそう呟く
ラウールはそれを不思議そうに見ていた