脚色 Ⅱ (ページ46)

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mc「ゆっくりでえぇんで、横になって下さい」
fk「ご、ごめんね…」

寝室へと行った深澤は、道枝の力を借りながらベッドに横になる
みんなが無事に生きていて、尚且つ宮舘がこちら側に来てくれて、深澤は嬉しかったようだ
しかし、彼の心にはまだ心配なことがあった

先程、宮舘から聞かされた阿部の安否について
脚を砕かれた、なんてそんな残酷なこと、あの男いｓかする人間はいない。深澤はそう憎しみを込めた表情を浮かべていた
その様子に気が付いた道枝は心配そうに問い掛ける

mc「深澤くん、誰か呼んできますか？」
fk「…んーん、大丈夫…ごめんね、道枝くん…君は康二の協力者だっていうのに…」
mc「えぇんですよ、康二くんが深澤君は大切な人や言うてましたから」
fk「康二が、そんなことを…」
mc「…まぁ、僕らは康二くんの為に居るみたいなもんですから」

道枝の笑顔に深澤は胸が苦しくなってしまった
誤魔化すようにベッドに身体を預けて沈み込めば、直ぐに睡魔に襲われる。緊張の糸が解けたのだろうと深澤は思い、抗うことなく瞳を閉じる

mc「深澤くん、眠り際の御伽に聞いてもえぇですか？」
fk「ぇっ…？」
mc「後、何回繰り返すんですか？」
fk「、！」

その言葉に深澤は酷く驚き、体を起き上がらせようとする。しかし、それよりも前に道枝は深澤の上に跨り、その行動を制した

mc「康二くん、そろそろガタが来とるんですよ…龍太くんが言うとりました。ねぇ、いくら貴方が大切や言うてもどうして康二くんが犠牲になる必要があるんです？」
fk「み、ち…えだく、っ…」
mc「貴方があの時大人しく死んでおけばこんな事にはならなかったやろ…アンタのせいで、っ!!」

深澤の頬に生温かい水が零れ落ちる。それは道枝の涙だった。彼は深澤を責めながら涙を流していたのだ。道枝の手はするりと深澤の白い肌を撫で、首へと到達する。その後に何をするかなど分かり切っていることだった

mc「ッ、!!」
fk「っか、ぁ"ｯ…!?」

気管が締まる。息が出来ず、脳に酸素が回らない。苦しいと思うよりも先に視界が霞んだ。その先では泣いた顔のまま自分の首を絞める道枝の姿がある
深澤は悲しそうな表情を浮かべながら、震える手で道枝の頬を撫でた

fk「…、ए、आ、…」
mc「ｯ、ぁ…ぇ…？」

深澤の小さく放った言葉を耳にした道枝は、途端に力が入らなくなり彼の上へと雪崩れ込む。そんな道枝を受け止めて深澤は慈愛に満ちた笑みを浮かべ

fk「…ठ、ए、द」

そう、呟いた