脚色 Ⅱ (ページ27)

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mm「まずはお前からッ!!」

目黒はそう言うと、ラウールに向かって先端を鋭い刃物に変形させた触手を伸ばす。誰も助けることが出来ず、ラウールも目をぎゅっと強く閉じて顔を背けることしか出来なかった。もう少しでラウールの首を触手が刎ねる、その瞬間

nb「させるかぁッ!!」
mm「なッ、?!」
dt「《止まれ》」

渡辺の銃剣がその触手を切り裂き、宮舘の声に反応して目黒の動きが停止する。目黒は驚きを隠せなかった。あの宮舘がどうして自分に異能力(ギフト)を使用するのか。不思議でならなかった

mm「だ、てさ…？」
dt「ごめんね、目黒…俺、目が覚めたんだよ」
mm「っ、は…？」

その言葉すらも意味が分からない、といった表情で目黒は宮舘を見詰める。彼の瞳が黒く染まっておらず、真っ赤に輝いているのを見て、目黒は漸く裏切られたのだと悟った

mm「ッ～～～～!!!!裏切り者ッ!!」
dt「そもそも、俺は翔太のために仕えてたんだ」
mm「お前なんかッ、お前なんかっ！」

目黒は無理やり自分の身体を動かそうとするが意味もなく。ただただ宮舘に向かい吠えるしかなかった。その間に渡辺が全員の拘束を解いていく。自由になったメンバーは目黒を囲い始める

iw「…質問に答えろ」
mm「ッ、」
iw「阿部は何処だ？お前らの頭は誰だ」
mm「知らない、」
sk「そんなわけッ」

目黒の態度に苛立った佐久間は彼の胸倉をを掴んで睨み付ける。それに臆することなく、目黒は「知らない、興味ない！」としか口にしなかった

ru「…、どうして、ぼくらを、ねらうの」
mm「知らねぇよッ!!俺は母さんのためにしか動いてない、舘さんと一緒だ！自己利益のためだけにしか動かない!!他者はどうだっていい!!」
sk「っ、もういい黙れよッ!!」

彼の言葉によって頭に血が上った佐久間は、思いきり腕を振り上げて目黒を殴り付けようとする。しかし、その時。目黒の足元に黒い魔法陣のようなものが浮かび上がった。それを見た宮舘が「避けろっ!!」と叫ぶと、その場に居たメンバーは目黒から距離を取り、何が起こったのかを把握しようとする

　「あらら…作戦は失敗かぁ…、」

そんな彼らの背後から、突然そう言葉が聞こえる。驚いて岩本や向井が振り返ると、その視線の先には、黒い髪に金色のメッシュを入れた体躯の細い青年が立っている。その身には丈の長い白衣を着ており、どことなく危険な雰囲気を醸し出していた

いや、それよりも岩本達が反応したのは「作戦は失敗」という言葉である
つまり、彼は＿＿、