脚色 Ⅱ (ページ25)

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一方で目黒と対峙する岩本、佐久間、向井、ラウールは彼の出方を見ようと距離を取っていた
しかし、目黒は動くことなくその場で鎌を持っている。一体どういうことなのだろうか、と全員が不審に思っていると目黒は口を開き出す

mm「なんで…」
iw「はっ、？」
mm「なんでなんでなんでッ!!!!お前ら邪魔するんだよッ!!さっさと終わらせて俺は母さんに会うんだッ、なのに、なのにッ!!!!」

目黒の影から発生したいくつもの触手は迷うことなくラウールを狙って突き進む。その速さに岩本も佐久間も反応することが出来なかった。だが、そんな中でたった一人反応した人物居る。時を操り、速度をも管理することが出来る存在。そう、向井だ

kj「ラウ、！盾の用意！」
ru「っ、！」
kj「いくで」

向井はラウールの肩に手を置き砂時計を回す。そんな二人に向かって勢い良く触手は突っ込んだにも関わらず、その身を貫いた感覚はなかった。目黒が目を見開くと、別の場所から彼目掛けて橙色に輝く槍が飛んでくる
動揺しながらも目黒はそれを触手で受け止めるとその方向に目を向ける。そこには槍を放った体勢の向井と盾を構えるラウールの姿があった。ｷﾞﾘｨｯ、と歯軋りして彼らを睨むと再度触手で攻撃をしようとする。しかし、

sk「忘れてんじゃねぇっよ、!!」
mm「なｯ、ぅ"ｯ!!くっそが！」
sk「ぅ、にゃっ」

飛び込んで来た佐久間によってそれは遮られてしまう。苛立った目黒は佐久間の足を掴んで地面に向かって叩き付けようとするが、凄まじい殺気に気圧されてその手を離した。佐久間は空中で一回転をすると、砂煙を立てながら何とか地面に着地する。その佐久間を飛び越えるように今度は岩本が大太刀を片手に目黒に向かった。その瞳には先程目黒が感じた殺気が籠っている

その殺気に怯えながらも目黒は持っていた鎌でその刀を受け止め、刃先を変形させて影を刀に絡ませては岩本の攻撃を無効にした、のだが

iw「さっきはありがと、よｯ!!お"らぁッ!!」
mm「あ"ッぅ"ｯ!?」

岩本は刀を手放し自由になった右手で拳を作り、目黒の鳩尾に勢いよく減り込ませる。目黒はえずきながらも岩本の腕を抱え込んで影で彼の背を貫こうとした。しかしそれも向井の手で移動してきたラウールの盾により防御され、弾き返される

mm「ッく、そがぁｯ、新入りのガキのくせにッ!!」
ru「ぱぱ、へいき、っ!?」
iw「あぁ、目黒！チェックメイトだ」
mm「っ、はは…はははッ!!忘れた？俺の力は自分の影を操るだけじゃない！」