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「よっ、と」
iw「ｯ、!!」
緋い瞳の青年、確か『瑞稀』と呼ばれていただろうか？ローラースケートを履いていながらも、勢いよくジャンプして岩本の頭上に向かう。そのまま思い切り足を振り下ろしてきた為、岩本は刀の背でそれを受け止めた
だが、その脇から今度は蒼い瞳を持つ青年が走り込んでくる。このままでは真横に居る深澤が狙われる。そう思い、刀で緋色を振り払い、その態勢のまま次に蒼色の攻撃を受け流した
「やるねぇ、」
「そうする？瑞稀くん」
「俺達は所詮時間稼ぎだからもう良いんじゃない？」
攻撃を続けながら二人はそんな会話を続けていた。攻めに転じることが出来ず、全て受け流していた岩本は嫌な予感がする。彼らはきっと目黒や宮舘と同じ人間だ。だとすると時間稼ぎというのは、そこまで考えると深澤の手を握り直し、覚悟を決めた
iw「ふっか!!離れんなよっ!!」
fk「ひ、ひかるｯ…でも、」
iw「いいから!!」
fk「わ、わかった…っ」
救難信号は先程、深澤が隙を見て佐久間と渡辺に送った。それまでの辛抱だと、そう思っていた
ずるり、という音さえしなければ
「あぁ、俺達はお役目御免って感じだね」
「そうみたい」
緋色と蒼色が道を開けた先に居るのは、
iw「目黒ｯ、！」
fk「ぁ、ぁっ…、」
黒い影を蠢かせる目黒と、赤い瞳を煌々と輝かせる宮舘である
岩本は再度刀も握り締めて、二人を見遣った
dt「二人ともご苦労様」
「いえ、後の事はよろしくお願いします」
「それじゃぁ、」
そう言うと、緋色と蒼色は姿を消す。その瞬間から岩本に緊張が走る。意識を集中させて、相手の行動に警戒した
dt「目黒、俺達の役割は彼の回収だよ、分かってるね？」
mm「勿論っすよ、舘さん」
de「じゃぁ、《Set、Go》」
宮舘の声掛けと共に、目黒の影が動き出し無数の槍となって岩本に向かう。刀でそれらを弾き返しながら駆け寄ってくる目黒に刀先を向けた
その挑発行為に目黒は口角を上げ、影を変形させると岩本と同じように大剣へと変換させて襲い掛かる
mm「まだまだぁッ!!」
iw「ぐｯ、ぅ」
剣を受け止めてしまえば岩本に自由がなくなり、目黒は無遠慮にその腹部を蹴り上げる。呻き声をあげた岩本だが負けじと刀を振り、目黒の頬にその刃が触れた
ﾂｩ…と頬から血が流れる感覚に目黒は恍惚とし、楽しそうな声を上げる
mm「はははッ!!いいねぇ、この間よりやるじゃんっ！」
iw「ったりまえだろ」
だが、虚勢を張る岩本の足に影が纏わりついた
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作者名：賭果 | 作成日時：2020年7月5日 21時
