脚色 Ⅱ (ページ20)

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それから約四日が過ぎた
情報収集の要となる阿部が不在のため、様々な面で苦労したのだが途中からは向井の仲間である、藤原丈一郎が手を貸して共に情報を�惜き集めた

その間、宮舘と目黒が手を出してくる様子もなく、【Snow/Man】メンバーは常に気を張りながら生活を続けていた

fk「でも…ほんっとうに何にも出来ない状況だね」
iw「…まぁな、向こうから仕掛けてくれば話は変わるんだけど」

岩本と深澤は二人でバンコクの街を出歩いていた。理由は簡単で、岩本がタピオカを食べたいからである。初めは渡辺を誘おうとしていたのだが断られ、その話を聞いていた深澤が「タピオカってなに？」と問い掛けたことで彼が付き添いに選ばれてしまったのだ

iw「ふっかはどの味がいい？」
fk「…どれも飲んだことない…あっ、マンゴーオレンジ美味しそう…ライチラムネ？も良いね」
iw「紅茶とか珈琲もあるけど…」
fk「甘い？」
iw「ゲロ甘い」
fk「やっ」
iw「ｯ、ふふｯ…『やっ』ってなんだよ、子供かよっ…くふふっ…」

深澤は岩本の肩を片手で殴りながら、マンゴーオレンジのタピオカを指差す。岩本はそれを見てから、自分用のチョコのタピオカと共に注文をした
すると、数分後には大きなプラスチックカップに入ったタピオカジュースが用意される。代金を支払い、岩本は深澤にカップを手渡した

fk「んっ、ジュース美味しいな…」
iw「いや、もっと奥にストローやんないとタピオカ吸えねぇよ」
fk「えっ、吸うもんなの？」

岩本に言われた通りにストローを奥まで入れて懸命にタピオカを吸う。ジュースと共にいくつかのタピオカが口内に入ってきたことに、深澤は驚いて咽てしまった

fk「げほっ、ごほっ」
iw「落ち着いて飲めよ」
fk「めっちゃ、喉痛い…」

そんな深澤を尻目に、岩本は飲みなれているためかどんどんタピオカを吸っていた。それを見た深澤も負けじと再度ストローを咥える
今度はあまり勢いをつけずに、確実にタピオカを吸ってゆく。もにゅ、もにゅっと何度か咀嚼していく内に深澤はどんどん目を輝かせていた

fk「照、これめっちゃ美味いよ！」
iw「だろっ？」
fk「うんっ、ラーメンの次ぐらいに好きかも」
iw「そんなにかよ」

ここ数日笑顔を見せていなかった深澤の弾けそうな笑みに、岩本は満足そうにする。連れてきて良かったと、心から思っていた

fk「これ何で出来てるの？魚卵？」
iw「でんぷん」
fk「でんぷん」
iw「芋だよ、芋」
fk「いもでんぷん」
iw「そうそう」