吸血 55 ページ10
Aside
学校に行くとリトが珍しく考え込んでいた。
主「おはようリト。どうかしたの?」
リ「おはよう。どうかしたって、何が?」
主「なんか考え込んでるみたいだったから」
リトは皆の前では不満な表情とか悲しそうな顔とかっていうマイナスの感情を出さない。僕の前では出してくれるようになったのは少し嬉しい秘密。
リ「何でもねーよ。大丈夫」
くしゃっと笑ったリトは、また一瞬考え込む。
リ「……………なあ、A」
いつになく真剣な声で呼ばれたので、僕も少し身構えながらリトを見た。
主「な、何?」
すると耳元に顔を近付け、囁いた。
リ「俺のものになる気、ねぇか?」
主「……………へっ!?」
リトのもの?え、僕が?待って?ど、どういうこと!?
リ「いや、やっぱり忘れてくれ。ごめん、変なこと言って」
でもリトの顔は悲しそうに見えて。そっか、で終わってしまったら、もうリトと会えないような気がして。
主「リト、ちょっと来て」
僕はリトの手を引っ張って隣の空き教室へ連れていった。
リ「どうしたんだよ?」
主「教えて。リト、何であんなこと言ったの?」
リ「忘れていいって」
主「嫌だよ!だって………リトが、どっか行っちゃうような気がして………」
リトは一瞬驚いた顔をした後、また悲しそうな顔をした。
リ「…………俺さ、強奪とか略奪とか、まあある意味得意分野だけど、Aに無理強いしたくなくて………」
ポツポツと話したリトだけど、何が言いたいのか分からない。
主「リト?何言って______」
続きの言葉は、リトが肩に顔を埋めたので止めた。首にかかる髪が少しくすぐったい。
リ「傍にいてよ。……………俺を、選んで」
消え入りそうな声でそう言うリトに、僕は慌てることしか出来なかった。
主「そ、傍にいるよ?」
リ「ああ。だけど、そうじゃないんだ」
僕はどうしたらいい?リトは何が言いたいの?教えてよ…………。
52人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まどか - りょーかい、待ってるね!! (2018年8月27日 16時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - まどかさん» ありがとー!それじゃ戦いを終わらせられるよう、頑張りまっす! (2018年8月26日 10時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - うんうん、凄い!!私も早速投票させてもらったよ(^^♪ (2018年8月26日 1時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - まどかさん» アンケート作ってみた!どうかな?上手くできてるといいけど………。 (2018年8月25日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - オッケー、待ってるっ!! (2018年8月24日 21時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:埋夜冬 | 作成日時:2018年5月26日 0時