吸血 83 ページ41
Aside
突然だった。離れないで、そばにいてとすがりついた僕に、ルイはキスをした。
初めは頭の理解が追い付かなかったけど、キスしたと気付いた瞬間、恥ずかしさとか色々込み上げてきて顔に熱が溜まる。でもそれより、嬉しい。
ル「嫌…………だったか?」
少し首をかしげるルイ。金色の髪が揺れた。困ったようにも見える自虐的な笑みの理由は分からないけど、それすらも全て似合っている。綺麗だけど、儚くて。
主「嫌じゃ、なかったよ」
そう言うとルイは目を見開いた。でもすぐに長く溜め息を吐く。
ル「その返事は_______」
トン、と押されソファーに倒される。そこにルイが覆い被さった。
ル「俺とキスし合う仲になりたいってことでいいんだな?」
今度は僕が目を見開いた。僕はどうしたいんだろう。ルイが好き?本当に?と深く考える。
分かっている。いつの間にか無くてはならない存在になるほど、ルイは僕の大切な人だ。答えはとっくに出ていた。
返事を言うのにこんなにドキドキしたのは初めてだ。これも多分、『好き』だからだと思う。
主「……うん。ルイとなら、そうなりたい」
返事をする。言葉の意味に真っ赤になっている僕を見て、自虐的に笑っていたルイの顔が強ばった。
ル「大変になるのに?」
主「うん」
ル「俺、遊びかもしれないよ」
主「ルイはそんなことしないよ」
ル「独占欲強いけど」
主「でも独占欲以上に優しいよ。それは僕が一番知ってる」
今更遅いけど、赤くなった顔を隠すようにへにゃりと笑うとルイは苦しそうな顔をして僕の首筋に顔を埋める。
ル「あんまり煽ると吸うぞ」
小さい声でそう言った。息がかかってくすぐったい。
主「いいよ」
まさかOKされると思ってなかったのか、驚いたルイが顔をあげる。赤い瞳の中の僕はそっとルイを見上げた。
ル「_______もう、離さないからな」
もう一度確かめるようにキスをして、ルイは僕の首筋に牙を当てた。
ル「ッ、ふ…………」
主「ぁ…………う、んぅ………」
喰い込む痛みは一瞬で、あとは快楽。反射的に手を握りたくなった僕はルイの服を掴んだ。
ル「好きだよ、A」
耳元で囁くとか、ずるすぎるよ………!
主「んっ………僕も、好きだよ」
僕は泣いた。嬉しいって言うのもあるけど、胸が苦しくなったから。
ごめんね_____________
______僕の大切な友達
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まどか - りょーかい、待ってるね!! (2018年8月27日 16時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - まどかさん» ありがとー!それじゃ戦いを終わらせられるよう、頑張りまっす! (2018年8月26日 10時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - うんうん、凄い!!私も早速投票させてもらったよ(^^♪ (2018年8月26日 1時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - まどかさん» アンケート作ってみた!どうかな?上手くできてるといいけど………。 (2018年8月25日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - オッケー、待ってるっ!! (2018年8月24日 21時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2018年5月26日 0時