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何やかんやと揉めた挙句、
最初は強気だったゆりちゃんも
大毅と神山くんの圧に負けたのか
最後は頭まで下げて謝ってくれた。
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「 よかったな、A 」
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よくない。
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好きな人に嫌われる怖さ、知らないでしょ。
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『 ... ごめん、帰る 』
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あぁ、また彼らの優しさを踏みにじった。
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カバンを取って、足早に学校を出る。
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この道を1人で歩くのは、あの日以来で。
何だか寂しいような気もする。
帰る場所は大毅の家しかない。
帰ればお母さんが居て、やがて彼も帰ってくる。
そう思えば、自然と家とは逆の方向に
足が進んでいく。
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近くにあった公園のベンチに腰掛けてすぐ、
後ろから懐かしい声が聞こえた。
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「 A? 」
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作者名:結乃 | 作成日時:2018年10月14日 18時