Feelings ２ (ページ39)

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「神山さん…」

「無理して結婚しなくていいんですよ。ね？おとん」

「ああ」

私たちに体を向けるお父さんは、これっぽっちも怒っていなかった

なんで…？乱入して雰囲気もぶち壊しにしたのに

「お見合いの話は冗談のつもりだったんだ

君のお父さんの会社は元々サポートするつもりだったから、安心しなさい」

「…え！ほんまですか！？」

衝撃的な事実に私達家族は驚きを隠せない

うそ…

じゃあ、私は結婚しなくていいの？

流星のこと、諦めなくてもいいの？

「ほら、Aさん。やるべきことがあるんやないの？」

神山さんにぱちん、とウインクをされる

視線を移せば、流星は潤んだ瞳で私を見上げていた

「本当に…ありがとうございます……！」

精一杯のお礼をして彼と共にお店を出た

外は雲一つない晴天で、まるで私達を祝福してくれているようだ

「A」

「…」

一歩先を歩いていた私

名前を呼ばれて振り向けば、流星が手を広げて待っていた

「流星」

「ん…」

「流星」

「なぁに」

「流星っ…！」

その胸に思い切り飛び込むと同時に、我慢していた涙が溢れ出した

「あほ！あほ、あほ…！」

「思う存分言ってぇや」

「うっ……」

「ごめん。忘れてもうて、ごめん」

耳元に響く落ち着いた低い声に、私は改めて確信した

この人が大好きだ…と

「…ふふっ。髪ぼっさぼさ。せめて着替えてくればよかったのに」

「なにすんねん、もう」

乱れた髪を背伸びしてさらにかき乱してやればされるがままの流星

「だって…Aがお見合いしてるって聞いたから

着替える時間も惜しかったんやもん」

口をとんがらせたと思えば、照れ臭そうに笑って私の髪をそっと撫でた

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