Feelings ２ (ページ21)

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「流星…」

「なんでここにいるん」

「それは」

「アミちゃんと映画行くって、そう言ったはずや」

「あのね、聞いて」

「そういうことやんな？」

「ちがう」

「じゃあなんでウソついたん」

喋る隙も与えない流星は、いつもよりも格段と低い声で捲し立てる

はやく誤解を解かなきゃいけないのに目の前の彼が怖くて押し黙ってしまうと、深いため息を吐いた

「…信じてたんに。最低やな」

その言葉が私の胸にぐさりと刺さる

「流星、ちゃうねん。まめちゃんは」

「もう何も聞きたない」

そう吐き捨てて私を睨んだ後に、身を翻して去って行ってしまった

………どうしよ

追いかけなきゃいけないのに、足が竦んで動かない

だって、あんな怒ってる流星初めて見た……

「…浮気、やないよな？」

「うん。まめちゃんにケーキ作りを教えてあげただけやねん…」

「ごめん、俺が神ちゃん家に行かなきゃこんなことには」

「私が全部悪いねん。小瀧くんは気にしないで」

そうや。私が全部悪いんや、せめて女の子にお願いすればよかったのに

それに神ちゃんには彼女がいるのに…
配慮できてなかった

「神ちゃん、私帰るね」

「え？でも」

「ちゃんと仲直りしてくるから」

本当は怖いけど、これ以上迷惑はかけられない

冷蔵庫からケーキを取り出して自分の荷物を持ち、心配そうな顔をする二人に向かって無理やり口角を上げて笑って見せた

「ほんまにありがと」

「……なんかあったら連絡するんやで？」

「Aちゃん、ごめん…」

「気にせんで。またね」

流星……家におるかな

もしかしたら私に会いたくなくて誰かの家に行ってるかもしれない

なんとしても０時を迎えるまでには誤解を解いて仲直りしたい

おねがい、家に居て……

「りゅうせいっ……」

そんな願いも空しく

流星の姿はなくて、私の声は誰もいない部屋に吸い込まれていった

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