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「ねえ、喧嘩強いね」
「別に」
「楽しい？」
「別に」
「なんで喧嘩するの？」
「別に」
次の日から、チョロチョロと金魚の糞のように天谷についてまわった。
思いつけば質問をしたけれど、基本的にお互い無言。私はただ彼の側にいたいだけだった。
彼も彼で私が側にいることを嫌がりはしなかった。
質問の答えは適当で同じことしか言わない。でも必ず答えてくれるあたり、彼は優しい。
そして、私に、自分と同じ空気を感じているのだろう。
彼と出会って一週間。髪を染めた。
先生に怒られたけど、��秋元いちか��も茶パツじゃんと押し切った。
先生に怒られた翌日、制服を改造した。指定上履きを捨てた。
その日も放課後に呼び出されて、数学教師の担任に怒られた。
一時間ほど田中は喚いていたが、何を言っていたのか全く覚えていなかった。
その次の日から、アクセサリーを付け始めた。
没収されても懲りずに毎日毎日新しいものをつけていった。
中学の時から暴れていたおかげで、家には腐るほどそういった類のものがあった。
髪を染めた一週間後、いつものように放課後のお説教を聞き流して職員室を出ると、廊下に武がいた。
「どうしたの？何か用事？」
数学なら、田中機嫌悪いからやめたほうがいいよ。無表情にそう告げると、武は顔を顰めた。
「…帰るぞ」
手に持っていた鞄を私に押し付け、足元に置いてあった鞄を拾い、私を置いて下駄箱へ歩いていく。
待っててくれた。
その事実が嬉しくて、自然と頬が緩んだ。
毎日が退屈で、ほとんど表情筋を使うことがなかった私にとって、ソレは大きな発見だった。
『私の全ては、天谷武によって左右される。』
天谷武。興味深くて、強くて、綺麗で、かわいい。
その時から今まで、これからもずっと、武は私の生きる意味なのだ。
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鼎(プロフ) - runarunaさん» いつもありがとうございます。管理人の鼎です！ご指摘ありがとうございます！修正させていただきました！返信が遅くなってしまい申し訳ありません…！また何かお気付きの点があればご指摘願います。これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2016年9月27日 18時) (
レス) id: 50123c4a48 (このIDを非表示/違反報告)
runaruna(プロフ) - 『瞬』ではないでしょうか？間違っていたらすみません！ (2016年9月24日 15時) (レス) id: 7c74cf0c5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼎 | 作成日時：2016年8月16日 0時
