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残り時間、１秒。
そこからカウントが動くことは無い。
生き残った生徒達から歓声が上がる。
でも、まだ喜ぶのは早いんじゃない？
倉庫から先の尖った鉄パイプのようなものを持ってくる武を眺めながら思う。
武がケンカをしているところを見るのが好き。
高校の入学式が終わり、またつまらない学校生活を送るのかとウンザリしていた時、武を見つけた。
綺麗。
それが素直な感想。
綺麗なほど鮮やかに相手を倒していく武。
ただただ単純に見惚れていた。
「…何、お前」
彼が発した言葉が自分に向けられたものとは気付かず、その場に立ち尽くして彼を見つめた。
私が何も言わないことが癪にさわったのか、ずんずんとこちらに歩いてくる。
その姿すら美しいと思い、ただ彼を見つめ続けた。
「お前に言ってんだけど」
彼が目の前に来て、私の制服の襟を荒々しく掴む。
ここへきて初めて彼が私に話しかけているという事を知り、私も言葉を発した。
「ねえ、名前なんていうの？」
「は？」
「私、AA。君、名前、なんていうの？」
この状況でこんなに冷静に名前を聞ける人間は普通いない。しかも女。
武は相当驚いた…警戒したのだろう。
視線を鋭く尖らせ、私を射るように睨む。
少し離れたところで、野次馬達が固唾を飲んで私達を見ている。
「素敵な目だね」
右手で彼の頬をまるで恋人の涙を拭うかのような仕草で撫でる。
小さく微笑んで見せれば、彼は小さく舌打ちをして私を突き放した。
「ねえ、名前なんていうの？」
三度目の質問を投げかける。
突き飛ばされたことには何も感じない。
それよりも彼の名前が気になるのだ。
「…天谷武」
「そっか。私AA。よろしく」
「…さっき聞いた」
今度はあからさまに舌打ちをして、私の横をスッと通りすぎた。
拗ねてる。かわいい。
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鼎(プロフ) - runarunaさん» いつもありがとうございます。管理人の鼎です！ご指摘ありがとうございます！修正させていただきました！返信が遅くなってしまい申し訳ありません…！また何かお気付きの点があればご指摘願います。これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2016年9月27日 18時) (
レス) id: 50123c4a48 (このIDを非表示/違反報告)
runaruna(プロフ) - 『瞬』ではないでしょうか？間違っていたらすみません！ (2016年9月24日 15時) (レス) id: 7c74cf0c5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼎 | 作成日時：2016年8月16日 0時
