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「もしあれで神ちゃん先輩が重岡さんに嫌われるような事がありそうなら、俺はあんな風に連れ出してない。」
「うん…?」
「俺そういうの見抜くの得意やねん。神ちゃん先輩への重岡さんの態度とか表情とか見て、先輩が考えてるような悲しい事は絶対ないって確信した。嫌われる、とか意識されてない、とか」
「…」
「やから、あの時はあれが最善やと思った。先輩が泣きそうなのも止めれて、そんで……重岡さんに、火ぃつけたろって。モタモタしてるとこうやって誰かに連れ去られてくで、て意味を込めて」
「それってどういう、ーーーーー」
のんちゃんの話すことが理解できるような出来ないような、はたまたしたくないような。
とりあえずどういう意味か聞こうとした俺の言葉を遮ったのは、突然鳴った玄関のチャイムだった。
来ることを把握していない来客は基本出ない、それが俺のモットー。
今日のこんな時間に誰か来る予定なんて無いし、宅配にしては遅すぎる時間で、若干不信感を抱く。
「ーーー誰やこんな時間に」
「出てみたら?」
「今までこんな夜に人来たことないで…普通に怖い」
「でもなんか緊急だったらあかんやろ、」
「…」
「とりあえず出てみて、変なやつやったら俺がなんとかする。」
「…わかった。」
何とかってどうするつもりなんよ、と思いつつインターホンの方へと向かう。
「はい、」
『あ……の、重岡です。神ちゃん』
「…………え?」
向こうから聞こえてきたのは、聞きなれた声。俺の大好きな声。そして、大好きな人の名前。
シゲ?
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作者名:しり切れとんぼ | 作成日時:2022年2月12日 10時