伊東健人との、優しい恋

6話　いとけん目線 ページ7

今日は午後休で、俺は父のお見舞いに来た。部屋に向かう廊下を歩く。反対側から女性が歩いてきた。別に何もないのにその人の顔を見ると、その人は、毎朝窓から優しい視線を送ってくれるあの人だった。







話したい。でも迷惑かもしれない。でも......ずっと前から「友達未満の二人」として話してみたかった。



その思いが強くなりすぎて、俺は気づいたら声をかけていた。





伊東 「あ、あの...!」




すぐに振り向いてくれた。近くで見ると、見とれてしまうくらいにキレイな人だった。




A「...はい...?」
伊東 「えっと...いつも窓から見てますよね...?」



いつもの視線が嫌じゃなかった。むしろあのやさしい視線は安心する。でも僕の言い方が悪かったのか、その人は謝った。



A「ごめんなさい!!」





その人が謝る必要はない。急に声をかけて、謝るのは俺の方だ。




伊東 「あ、別に嫌じゃなくて...目があうこともあるから、挨拶しただけで...急に声かけちゃって僕もごめんなさい」




「目があうこともあるから」って思ったのは、嘘じゃない。でも、「今日で話すのが最初で最後かもしれないけど、少しでも話したい」ってゆうのが一番大きかった。




伊東 「僕...父がここに入院中なんですけど...よかったら少しそこでお話しませんか...?」



その人は快くOKしてくれた。

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