良き妻 ページ17
まさに貴族と言うような晩飯を食って、今はAと共に食器を洗っている
Aはおれに座ってろって言ったが、ただでさえこんなデカい豪邸を1人で掃除したり管理してんだから皿洗いくらい夫として手伝わせてくれ
「ふふっ、2人だといつもより早く終わるね」
「その方が、2人でいる時間も長くなるだろ」
おれがそう言えばAは少し頬を染めて、そうですね、なんて静かに言う
ふとした時に思うが、会話していれば年相応の女の子という感じがするが、こう、喋らない姿を見ていれば本当に大人の女性そのもので、仕草やら話し方やら礼儀やら、そういう物が凄く丁寧で……なんと言うか…全てにおいて流暢だ
子供っぽさと言うのをまるで感じない
これも、一国の王女として育てられたが故なのだろうか
「あ、お風呂も既に湧いてるけど、お先に入る？」
皿を拭くAが、思い出した様におれに言う
「なんなら、一緒に入るか？」
おれが9割本気でそう言えば、慌てふためいて「バカ」……と、言うと思ったが、Aは少し困ったような笑みで
「ごめんね、まだやる事があるの」
と、誘いを断った
やる事＿＿＿やっぱり、一国を担ってると、それなりに国民から連絡が入ったり、やることがあったりするもんなのか
もちろんおれは、国を背負う王なんてものは経験した事がないので、Aの言う「やる事」と言うのがどんなものなのかは検討もつかない
「あらら…じゃあ、おれは先に入るわ」
「あ、着替えは浴場に用意しておくから、そのまま入って大丈夫だからね」
全く…何処までもできる妻だな
この子は休むって事を知らないのか
「お前さん、今日ずっと家で働いてたろ。少しは休みなさい」
「うーん…そうでも無いよ。掃除とかが終わったら、お菓子を作ったり紅茶を入れたりして休んでるし、海賊を捕まえる仕事をしてるクザンの方がずっと頑張ってるよ。私はただ…あなたの帰りを待つドキドキを、動いて誤魔化してるだけだから」
「！」
ったくまたなんて可愛い事をこの少女は……
おれが家に帰ってくる胸の高鳴りを家事で動いて誤魔化してるってどんだけおれの事好きなのよ
「おれの事、相当好きなんだな。Aは」
「それはクザンもでしょ」
互いに食器を洗い終わり、おれは浴場へ向かう
.
.
＿＿＿その前に、Aに不意打ちでキスをして
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ごま油(プロフ) - とっっっっても良い小説をありがとう御座いました。可愛くて綺麗で美しい愛でした。読むのが楽しかったです！ (2023年2月22日 17時) (
レス) @page38 id: 9bdb6b301d (このIDを非表示/違反報告)
ごま油(プロフ) - ﾁｮ…たまにイケメンになるのスキなんですけど！！ でも、可愛い まだ、読み始めたばかりですがスキです((突然すみません (2023年2月19日 19時) (レス) @page8 id: 9bdb6b301d (このIDを非表示/違反報告)
ハクア - もう泣いちゃいました。クザンさんの事好きになりました‼️ギフトアイランドも見させてもらって、今からもう一回見たいと思います。 (2023年2月15日 22時) (レス) @page38 id: 19cc797338 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - 綺麗なお話をありがとうございました。会社で最終話まで読んでしまってうるっと来てしまいました。読む場所を間違えましたw (2022年11月1日 8時) (レス) @page38 id: 90dea79562 (このIDを非表示/違反報告)
ユキキ(プロフ) - 号泣しました、、清々しい程切なくて甘くて悲しくて美しくて、最高に良かったです😭素晴らしい終わり方なのに暫く立ち直れそうにありません。 (2022年10月31日 2時) (レス) @page38 id: 5bcd03b334 (このIDを非表示/違反報告)
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