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また、気付けばベッドにいた。
相変わらず頭は痛いし吐き気もするけど、さっきよりも調子は良い。

けど、目の前にある問題を考えると、頭痛が増す。

「…大丈夫?」
「…それなりに」

心配そうな、だけど怒っているのが伝わってくる声が、私の名前を呼ぶ。

「飲み過ぎ」
「…ごめんなさい」

どうしよう。
その一言しか浮かばない。
色々と、問題がある。
まず、神木さんが私の目の前にいる。私の部屋にいること。坂下さんがいないこと。私のアルコール中毒の心配。明日の仕事のこと。
そして、私としては一番気まずい問題。神木さんに、その瞬間を見られたこと。
女子としては、辛い。
しかも、憧れの、とても好きで、とても嫌いな人に見られたのは、穴があったら入りたいほど、恥ずかしい。
気まずくて、何も言えない私に、神木さんが察したのか、声をかけた。

「触れない方がいいかもしれないけど、Aちゃん吐いてるとき、近くにいたの俺」

はい。知っています。
あなたの手の感触を間違えるはずがない。

「女の子としては、関係ない男にそういうの見られるの嫌かもしれないけど、見た」

率直ですね。見た、って。いつからそんなドストレートになったんですか。
俯いている私に構わず、神木さんは続ける。

「ごめん。でも、俺、責任取るから」
「……………は?」

責任ってなんですか。取る?誰が?誰の?

「Aちゃん、俺と付き合って」
「ちょ、ちょっと、待って、え?」
「Aちゃんと、ちゃんと関係ある人になりたい」

話が全く見えない。神木さん、自分が言ってる事支離滅裂って気付いてますか?

「……それは、私が吐くのを見た事への後ろめたさですか」
「違うよ」
「じゃあなんでそんな事言うんですか?からかってるんですか?」

声が震える。
紛れもない、怒り。

「私の気持ち知ってますよね?なんで神木さんの事避けてると思ってるんですか?今まで神木さんも話しかけてこなかったじゃないですか。なんで今更そういう事言うんですか?遊んでるんですか?私の事賭けてゲームでもしてるんですか?」

神木さんがそんな事しないのはわかってる。
でも、突然そんな事言われても困る。
同時にお門違いの怒りも込み上げてきて、脊髄反射の言葉しか出てこなかった。

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設定タグ:神木隆之介 , アミューズ , 俳優   
作品ジャンル:タレント
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(プロフ) - 自称 神木隆之介様 依存症さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(o^^o)のんびり更新ですがこれからもよろしくお願いします! (2016年5月18日 6時) (レス) id: 50123c4a48 (このIDを非表示/違反報告)
自称 神木隆之介様 依存症(プロフ) - この小説大好きです!!更新楽しみにしてます!!頑張ってください!! (2016年5月18日 0時) (レス) id: dbd5180fdd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すずやさん» ありがとうございます!のんびり更新ですが頑張って更新していくのでよろしくお願いします(^O^) (2016年5月14日 0時) (レス) id: 50123c4a48 (このIDを非表示/違反報告)
すずや - すごい面白かったですー。更新楽しみにしてますー! (2016年5月13日 23時) (レス) id: eddc991718 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年4月12日 22時

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