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「はい、オッケー。最高」
台本は監督が書いたもので、演出家など他のスタッフ達に理解しがたいようなシーンは監督自ら演出や演技指導、カメラの動きの指示など全てを一人で行う。そしてそのシーンはだいたいが私の心理表現のシーンだ。
私は当たり前のように一発オーケーを出しまくる。
「Aちゃん、今日飲みに行かない？」
「いいですよ」
「やった、楽しみ」
小さく笑う監督。かわいい。ずっと笑ってれば良いのに。
「監督、Aさんと話すときは表情豊かですよね。それにAさんにNG出たことないじゃないですか」
「私と監督、似てるので共鳴してるのかもしれませんね」
スタッフさんと話しながら毎日仕事をこなす。毎日毎日神木さんとの絡みがあるのは辛いが、考えないようにしている。
「じゃあマリとユキのベッドシーン行きます」
「シーン１９行きまーす」
監督が言ったあとに助監督が言いかえる。
じわる。
マリは、トウマを振った頃から夜の街へ出かけるようになっていた。寂しさや苦しさ、劣等感、全てを誤魔化すためだ。
ある夜、ライブハウスで一人でお酒を飲んでいた時、隣に男が座った。それがユキだった。ゆきという発音だけ聞くと女と間違うのだが、漢字で書けば幸。見た目もプラスして完璧に男だ。
『一人？最近よくいるよね。なにしてんの？』
軽い調子で話しかけてきたユキ。最初は煙たがっていたマリも、次第に彼に心を開いていく。
『わかるよ、そういう気持ち。俺も同じ』
ある時、自分の気持ちを全てぶちまけた。トウマのことも、もちろん。
いつもはチャラいユキも真面目に話を聞いてくれた。
『ねえ、マリちゃん。そういう気持ち忘れるのに一番楽な方法知ってる？』
少しだけおどけたように言うユキ。
知らないと首を横に振れば、ユキはマリの顎に触れ、目が合うように上を向かせ、囁く。
『本能に任せて、他の誰かに縋ること』
そのままユキの顔が近づいてきて、マリは自然と目を閉じていた。
もうなにも考えたくなかった。ユキの言うように、誰かに縋りたかった。
ユキが二人分の会計を済ませ、近くのネオン街を目指す。
ネオン街に入って少し行ったところの西洋風のホテルに二人で入る。
高いのかな、高そう。ユキが受付を済ませている時にそんなことを考えながらロビー内を見渡した。
ユキが戻ってきたのでスッと席を立つ。
ユキにエスコートされて案内されたのは、最上階のスイートルームだった。
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鼎(プロフ) - 自称 神木隆之介様 依存症さん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(o^^o)のんびり更新ですがこれからもよろしくお願いします！ (2016年5月18日 6時) (
レス) id: 50123c4a48 (このIDを非表示/違反報告)
自称 神木隆之介様 依存症(プロフ) - この小説大好きです!!更新楽しみにしてます!!頑張ってください!! (2016年5月18日 0時) (レス) id: dbd5180fdd (このIDを非表示/違反報告)
鼎(プロフ) - すずやさん» ありがとうございます！のんびり更新ですが頑張って更新していくのでよろしくお願いします(^O^) (2016年5月14日 0時) (レス) id: 50123c4a48 (このIDを非表示/違反報告)
すずや - すごい面白かったですー。更新楽しみにしてますー！ (2016年5月13日 23時) (レス) id: eddc991718 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼎 | 作成日時：2016年4月12日 22時
