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クランクインの日、現場に着くと、そこには監督と数人のスタッフの人しかいなかった。時間を見るとかなり早い時間だということに気付く。
「おはようございます」
「おはようございます。今日はよろしくお願いします」
監督に話しかけて頭をさげる。監督も同じように頭を下げた。
噂に聞いた通り、たしかに美人だし、笑わない。
「Aさん」
背を向けた途端、呼び止められる。
「はい」
「あなたのことちゃんと見るまで不安だったんだけど、安心した」
「え?」
「"あなたはマリよ"」
そう言うと、他のスタッフの元へ行ってしまった。
冷や汗が止まらない。
あなたはマリ。
その一言で、魔法にかかったかのようだった。
あなたはマリ。そう、わたしはマリなのだ。
狂おしく人を愛す、マリなのだ。
相手は神木さん。トウマだ。
わたしは、溢れ出る気持ちを自制する必要はないのだ。私のように、殺したい衝動に蓋をする必要はない。
『あなたの心臓が欲しい』
それがダメなら、目玉でも、手でも、足でもいい。私だけのものにしたい。
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鼎(プロフ) - 自称 神木隆之介様 依存症さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(o^^o)のんびり更新ですがこれからもよろしくお願いします! (2016年5月18日 6時) (レス) id: 50123c4a48 (このIDを非表示/違反報告)
自称 神木隆之介様 依存症(プロフ) - この小説大好きです!!更新楽しみにしてます!!頑張ってください!! (2016年5月18日 0時) (レス) id: dbd5180fdd (このIDを非表示/違反報告)
鼎(プロフ) - すずやさん» ありがとうございます!のんびり更新ですが頑張って更新していくのでよろしくお願いします(^O^) (2016年5月14日 0時) (レス) id: 50123c4a48 (このIDを非表示/違反報告)
すずや - すごい面白かったですー。更新楽しみにしてますー! (2016年5月13日 23時) (レス) id: eddc991718 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼎 | 作成日時:2016年4月12日 22時