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「それはさ、やっぱAちゃんが悪いよ」

そう言いながら、料理に手をつける坂下さん。

「ですよね。わかってます」
「うん。でも、直せないんだよね?」
「はい…」
「それってさ、Aちゃんの劣等感のせい?それとも自己嫌悪?」
「そういうの全部引っくるめた、私の性格です」
「じゃあその原因無くしちゃえばいいんじゃないかな?」
「劣等感とかを、ですか?」
「そういうこと。要するに、神木くんと並べばいいんだよ」
「…え?」

何を言い出すんだ、この人は。
神木さんと並ぶ?どうやって?何で?

「Aちゃんってたまに鈍いよね〜。実力で並ぶしかないじゃん。」

さらりと、凄い事言いましたね。
坂下さん。
私、一瞬宇宙見えました。

「無理ですよ、私なんて」
「やる前から諦めるの?」
「結果なんて目に見えてます。いくら頑張っても届かないのに、頑張りたくないです」
「Aちゃん、それ逃げてるってわかってる?」
「痛いほどよくわかっています」
「じゃあなんで?」
「逃げてないと、保たないんです。身体的にも、精神的にも」

坂下さんは静かにお酒を飲む。そして、冷たい料理を食べながら言った。

「それを理解して、支えてくれる人を、探してみたら?」

そんなこと、言われる前からやっていた。
探した結果が、これだ。
結局見つからなかった。いつでもそばにいてくれる人間なんて、見つかるはずなんて無かった。

SNSで見つけた友人も、所詮SNS上の関係で、いつでもそばにいてくれるなんてあるはず無かった。
残しておく意味もなかったし、芸能界に足を踏み入れたときに、SNSは消した。
前振りもなく唐突に。気にする人なんて、いるはずないし。

「…また、失敗します」
「昔と今は違うよ?環境も違うし、関わる人も違う。前の失敗恐れてたら、色んなところで、前には進めないよ?」

いつか必ずAちゃんの弱点になる。
そうやって、大事なときにはハッキリ言ってくれる坂下さんがいれば、私は良いんだけどな。なんて、思ってみたりするけど、やっぱり、少し違うのかもしれない。

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設定タグ:神木隆之介 , アミューズ , 俳優   
作品ジャンル:タレント
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(プロフ) - 自称 神木隆之介様 依存症さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(o^^o)のんびり更新ですがこれからもよろしくお願いします! (2016年5月18日 6時) (レス) id: 50123c4a48 (このIDを非表示/違反報告)
自称 神木隆之介様 依存症(プロフ) - この小説大好きです!!更新楽しみにしてます!!頑張ってください!! (2016年5月18日 0時) (レス) id: dbd5180fdd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すずやさん» ありがとうございます!のんびり更新ですが頑張って更新していくのでよろしくお願いします(^O^) (2016年5月14日 0時) (レス) id: 50123c4a48 (このIDを非表示/違反報告)
すずや - すごい面白かったですー。更新楽しみにしてますー! (2016年5月13日 23時) (レス) id: eddc991718 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年4月12日 22時

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