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「Aちゃん、ペース落として」
「……ウーロン茶」
「はい」

あれから30分が経過した。
10分に一度、マサに注意をされて、その度にウーロン茶を頼む。
志田ちゃんは少しお酒に弱いようで、なんとなく酔っている。

「志田ちゃんも神木くんももう23になったの?」
「なったよー。太鳳ちゃんは21?」
「そう!佐藤くんが27で窪田くんが28?Aちゃんは…」

いくつ?と太鳳ちゃんに聞かれ、21と答える。

「同い年だ!!初めて知った!」
「プロフィール公開してないからね」
「だよね!私たち一番若いね」
「ね〜」
「なんで俺のこと見てんの?おじさんって言いたいの??」

思わず笑ってしまう。マサは相変わらず面白い。

「違うよ〜」
「若いね〜ほんと、ついていけない」
「ついてきて、おじさん」
「やっぱおじさんって言いたかったんじゃん!」

諦めたようにマサがビールを飲む。

「志田ちゃん、24で結婚したいって言ってたけど、今彼氏は?」
「太鳳ちゃん爆弾好きだね」

言いながらも、嫌な予感しか無かった。
やだ、聞きたくない。そんなこと、聞きたくない。

「実はね、今、私達付き合ってるの!」

そう言って、彼女は神木さんの腕に自分の腕を絡ませた。

「え!ほんと!?じゃああの報道って…」
「あの時はまだ違ったんだけど、その後に。ねー?」

可愛らしく神木さんに同意を求める志田ちゃん。神木さんは恥ずかしそうな、困ったような笑顔を浮かべて、小さく頷いた。

別に、いいよ。
振ったのは私。遠ざけたのも私。手放したのは私。
私に、落ち込む資格はない。
私に資格がないのは前からでしょ?今更揺らぐな。
言い聞かせても、声が震えそうで言葉を発せない。

「…おめでとうございます」

なんとか絞り出した声は、震えていなかっただろうか。
私はちゃんと笑えていただろうか。

度数が高いお酒を一気に飲んだ。
マサは止めなかった。

結局私は帰るタイミングを見失った。
ひたすら前や左を向いた。
右側なんて、見れるはずない。
感じる視線を、知らないふりで誤魔化した。

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設定タグ:神木隆之介 , アミューズ , 俳優   
作品ジャンル:タレント
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(プロフ) - 自称 神木隆之介様 依存症さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(o^^o)のんびり更新ですがこれからもよろしくお願いします! (2016年5月18日 6時) (レス) id: 50123c4a48 (このIDを非表示/違反報告)
自称 神木隆之介様 依存症(プロフ) - この小説大好きです!!更新楽しみにしてます!!頑張ってください!! (2016年5月18日 0時) (レス) id: dbd5180fdd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すずやさん» ありがとうございます!のんびり更新ですが頑張って更新していくのでよろしくお願いします(^O^) (2016年5月14日 0時) (レス) id: 50123c4a48 (このIDを非表示/違反報告)
すずや - すごい面白かったですー。更新楽しみにしてますー! (2016年5月13日 23時) (レス) id: eddc991718 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年4月12日 22時

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