同じ世界 ２【神木隆之介】

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「あーAちゃんだ！本物だ！」
「やっと来た、遅いー」
「あ、ども」
「こんばんは」

指定された日時。時間より少し遅れて店に入り、席に案内してもらう。個室の襖を開けた瞬間他方から声が飛んでくる。
発言順に、太鳳ちゃん、マサ、佐藤くん、福士くん。
本物だ！はこっちのセリフです。なんかもうすでに帰りたい。

「何してんの？こっちくれば？」
「普通に振る舞えるマサが凄い」
「いや友達っていうか知り合いっていうか先輩っていうかって感じだし」
「帰りたい」
「いいから来なよ」

マサに手招きされて、オズオズと足を進める。

「えっと…AAです。よろしくお願いします」
「よろしくー！この前も聞いたけど〜！」
「この前ぶり。よろしく」
「初めまして。福士蒼汰です。よろしくお願いします」

どういう繋がりなのかわかんないけど、とりあえずなんか雰囲気で怖いという事がわかった。

有名人だらけ。芸能界の友好関係怖い。

「あの、えっと…………マサぁ」
「なになになに普通に話せばいいじゃん泣きついてこないで無理無理無理俺には何もできないよ」
「どうしたらいいかわかんないんだけど飲んでいい？」
「…酔って暴れても知らないよ」
「酔わないとやってらんない無理…いただきます」

注文した生ビールを一気に飲み干す。
驚いた表情のお方々。太鳳ちゃん、佐藤くん、福士くん。
ごめんなさい、後輩なのに一気してごめんなさい。おしとやかじゃなくてごめんなさい。

「ごめんね、この子相当酒飲みなんだよね。酔い潰れたところ見たことない」
「もう3杯目飲んでるよね…？え？カクテル？カクテル好きなの？」
「カクテル好きです。ビールの二倍好きです」
「チューハイは？」
「飲めますよ」
「焼酎とかウィスキーは？」
「基本なんでもいけます」
「強い…」

たまに料理を口に運ぶが、ほとんどお酒で空腹を満たしている。

「Aちゃん、加減して飲んでね」
「マサに任せる」
「は？ちょっと意味わかんないどういうこと？」

太鳳ちゃんは面白そうに笑っているけど、佐藤くんと福士くんはお互い顔を見合わせて苦笑いしている。
もうこの際、引かれても構わない。こんな豪華ゲストの中に混じってるなら、酔ってないとやっていられない。

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