同じ世界 ２【神木隆之介】

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アキラは、最終的には死んでしまう。
根っからの悪役かと思いきや、案外いい奴だったりする。
最終話、その後出てきた、ヒロイン恨みを抱く人物が振り下ろしたナイフに刺され、ヒロインを守って死ぬ。
最後に、ミナトにヒロインのことを託して。

『私のだから。傷付けたら、ぶっ殺す。一生恨む。来世も、その来世も、そのまた来世も、ずっとずっと、あんたの子孫も、あんたと関わったやつ全員恨む。目に物見せてやる』
『アキラ！もう喋んな！わかった！わかったから！』
『本当は、あんたなんか役に立たないと思ってた。あんたなんかが、あの子守れるはずないって。私が守らなきゃって』
『これからも守るんだろ！？お前が本当は優しいの知ってるよ！あいつのこと守りたいだけなんだろ！？だったら最後まで守れよ！お前が死ねばあいつが悲しむんだよ！』
『あんたがいるから、あの子は悲しくない。ね、そうだよね？』

泣きながら近寄ってくる。アキラは女の頬に触れる。

『私の命あげる。ずっと側にいる。離れない。お風呂もトイレもずっと側にいる。この男とシてても側にいるから』
『なっ』
『てめっ…死ぬまで減らず口だな！？』
『私、案外しぶといでしょ？でも、もうあんまり痛み感じないし、あんたらの顔、ちゃんと見えない』

口から血を吐く。

『あなた一人が死ぬのと、あのクソ男と私二人が死ぬのなら、私達が死んだほうが、社会的には、よろしいのよ』
『アキラ…』
『あなたは誰も殺してない。私が殺した。あなたのせいじゃない。ね？だから…』
『アキラ！？アキラ！！だから何？ねえ、アキラ！！』

目を閉じる。ミナトもあの子も泣いていた。
私らしくない。こんな最期は、私らしくない。

泣かないで。見えない目を必死に凝らして、最期に見たかったのはそんな顔じゃない。

笑って。

口だけを動かす。
でも、そんなので伝わるわけもなく、私が最期に見たのは、あの子の泣き顔。

私には、ハッピーエンドなんて似合わない。
大好きな子の泣き顔で終わる。
そのくらいが、良かったのかもしれない。

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