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「Aちゃん、怖い」
「役なんだから仕方ないじゃん」
「いや、わかってる。わかってるけど、怖い。怖かった。冷や汗」
「嬉しくないけど嬉しいです」
ドラマの内容がクライマックスに入る頃、私と窪田さんはタメ口で話すほど仲良くなっていた。
お互いの呼び方も、Aちゃん、マサくんと名前で呼ぶようになった。正孝は長いから、省略した。
「あの高笑い天性だね。もうずっと悪役やってなよ。怖すぎ。菜々緒さんと別タイプの怖さだよね」
「ほんと?嬉しい」
「俺、Aちゃんの悪役怖すぎていつか泣く」
「いつかあの怖さを思い出してきっと泣いてしまう?」
「やめよう。怒られる。やめて」
こんなやりとりも、いつしか現場では恒例のやり取りになって、撮影がうまく進まなくて空気がピリピリしている時も、あえて空気を読まずにこの会話をする事で場の空気が和むこともあった。
私は、マサの役とヒロインの女の子の関係を壊そうとする役。ただし、ミナトが好きなわけではなく、ヒロインの女の子に異常なほど執着している役。
ヒロインの女の子のために、マサを消そうとする役。
前回十話で、今週は八話目を放送する。物語の核心に迫っていく回だ。
この回から、私の役は恐ろしいほどの存在感を放っていく。
『私のモノ、奪わないで?』
『あんたなんか、ふさわしくない!ふさわしいはずがない!!!』
『アハハハハハッあんた、まさか信じてたの?私がそれ欲しいって、本気で信じてたの?』
『私が欲しいのは、あなただけよ。お前みたいなクズ、いらない』
ヒステリックな役だけど、演じやすかった。
シリアスな役は嫌いじゃない。むしろ好き。
感情を押し殺して笑う役も、不安定な感情を全て表に出して叫ぶ役も、どちらも演じやすい。
根っからの善人は演じていると、罪悪感に飲み込まれて、2日に1回のペースで、布団で静かに涙を流した。
私には、悪女の方が性に合っている。
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鼎(プロフ) - 自称 神木隆之介様 依存症さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(o^^o)のんびり更新ですがこれからもよろしくお願いします! (2016年5月18日 6時) (レス) id: 50123c4a48 (このIDを非表示/違反報告)
自称 神木隆之介様 依存症(プロフ) - この小説大好きです!!更新楽しみにしてます!!頑張ってください!! (2016年5月18日 0時) (レス) id: dbd5180fdd (このIDを非表示/違反報告)
鼎(プロフ) - すずやさん» ありがとうございます!のんびり更新ですが頑張って更新していくのでよろしくお願いします(^O^) (2016年5月14日 0時) (レス) id: 50123c4a48 (このIDを非表示/違反報告)
すずや - すごい面白かったですー。更新楽しみにしてますー! (2016年5月13日 23時) (レス) id: eddc991718 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼎 | 作成日時:2016年4月12日 22時