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突然携帯が鳴った。時計を見ると８時半近くをさしている。
「…はい」
「Aちゃん？神木だけど…」
「ああ、こんばんは。なんでしょう？」
「今どこにいる？これから会えないかな？」
「別れてすぐ他の女ですか」
「…Aちゃん、まだ根に持ってる」
「別に、そういうわけじゃないですよ」
「じゃあ怒ってる？」
「怒ってません」
怒っているわけではない。ただ、どう接していいのかがわからない。あれだけひどい態度をとっておきながら、今更コロッと神木さん(はーと)なんていうように態度を変えられるほど私の神経は図太くない。
それに、なんか悔しいし。
太鳳ちゃんがニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべて私を見ている。とても恥ずかしい。
「志田ちゃんとはちゃんと話した。志田ちゃんも納得してくれた。ただ普通の幼馴染」
「…振られた理由が私って知ってるんですか？」
「話さないと納得してくれなくて、全部話した」
「そうなんですね」
いいですよ。今から会いましょう。
太鳳ちゃんに目で合図を送ると、帰り支度を始める。家にいてくださいと言って通話を切り、自分も帰り支度をする。
「今から会うの？？いいね〜〜青春だね〜〜」
「そんなんじゃないし」
「あんな冷たい態度とっちゃってさ〜〜ほんとは嬉しいくせに〜〜」
「違う！」
「じゃあ嬉しくないの？」
からかうような態度から一変、真面目に聞かれると言葉に詰まる。
「…嬉しいけど、素直には喜べない。かな」
小声でそういえば太鳳ちゃんはふわりと微笑み、財布を鞄から出す。
「複雑かもしれないけど、今は素直に喜んでいいと思うよ」
その声はとても優しく、耳から脳へどろりと入り込む。
「…ほんとに喜んでいいのかな。だってあの人は振られて…ついさっきなんだよ？私、最低な女じゃない？」
「運命の赤い糸は最初から二人の間にあったんだよ。だからこれは自然現象で奇跡なの。赤い糸を見つけたAちゃんの特権なの」
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ハル - ありがとうございました。 (2018年1月22日 14時) (
レス) id: a6c0080ac7 (このIDを非表示/違反報告)
鼎(プロフ) - exkokesi83さん» ありがとうございます！（；；）そう思っていただけて本当に嬉しいです！ (2016年8月8日 11時) (レス) id: 50123c4a48 (このIDを非表示/違反報告)
exkokesi83(プロフ) - この作品読んで一番に思ったのが凄いでした。 (2016年8月8日 10時) (レス) id: 81cb6c4d50 (このIDを非表示/違反報告)
鼎(プロフ) - 鈴屋@アカウント死んださん» ありがとうございます！そう言っていただいて本当に嬉しいです（ ; ; ） 最近は焦りながら更新してしまっていたので、鈴屋さんの言葉が染みてきました。大切なことを思い出させてくれて本当にありがとうございます。変わらぬ質でお届けできるよう頑張ります！^ ^ (2016年6月6日 17時) (レス) id: 50123c4a48 (このIDを非表示/違反報告)
鈴屋@アカウント死んだ(プロフ) - この作品大好きです。人らしい感情というか主人公の自己嫌悪とかが上手く表現されてて毎度更新が待ちきれないです。ゆっくりで良いので今の質を保ってくれる事をねがっておりますます。応援してるので頑張ってください (2016年6月6日 0時) (レス) id: a27ad49a4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼎 | 作成日時：2016年5月26日 23時
