１２.君の血が好き ページ12
「夜、血を吸いに行こうとしたんだけど、司くんの血を吸いに行ったときのことを思うと、なかなかその気になれなくてね……」
「…なるほどな。」
司は腕を組み、表情を動かすことなくそう言う。
「…本当に、すまない……反省するよ。」
類はもう一度そう言うと下を向く。
類が司の言葉を待っていると、
「…………まあ…二人も気にしていないみたいだし、オレもこんなに謝られては許すしかないな！」
その明るい声に類が前を向くと、司は類に目を合わせ、笑顔で言った。
「ありがとう、司くん……これからは気をつけるようにするよ。」
類は肩の力を抜いてそう言うと、置いてある司の手に、自分の手のひらを重ねる。
「む……？」
司はその行為を疑問に思い、目線を類から手に移すと、少し手を動かす。
「…っああ、すまない……」
類は急いで手を離すが、二人は気まずくなり、それからしばらく沈黙が流れる。
その空気を遮るように司が言った。
「………もうすぐ春も終わるな！」
「……そうだねぇ。」
お互い目を合わせずにそう言う。
そこで会話は終わり、再び沈黙が訪れようとするが、それを類が阻止した。
突然、類は司の方に向き直る。
「…司くん。」
真剣な顔で、司に目を合わせる。
「…なんだ？」
場に緊張感が漂う。
少しの間を置いて、類が口を開いた。
「僕は、司くんの血が好きだ。」
「だから……これから僕のそばにいて、ずっと血を吸わせてくれないかな？」
類の真剣な表情が、夕焼けで赤く染まる。
「…………」
司は類の言葉に下を向く。
類は司の答えを静かに待っている。
「………わかったっ！別に構わんぞ！」
顔を上げると急に大きな声を出した。
「…っ！……それは、本当かい？」
類はその答えに目を見開く。
「いや、そういう訳ではない！」
「え…？」
だが、次の司の発言で眉を寄せる。
「ずっと、とは言わんが、オレが、別に吸わせてやってもいいと思っている限りは吸わせてやろう。」
司はそう言って腰に手を当てる。
「……フフ、…ありがとう、司くん。」
「それに、類に血を吸われて怖い思いをする人がいなくなる、だろ？」
「ああ…そうだね。」
すると、類が何も言わずに司の顔を見つめている。
「…どうかしたか？」
「いや…君は本当にスターだなと思ってね。」
「ああ、当たり前だ！オレはスターだからなっ！！ハッハッハッ！！」
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れいん(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…！！これからも更新頑張ってください！楽しみです！！！ (2022年6月17日 21時) (
レス) @page15 id: f3ef94bb07 (このIDを非表示/違反報告)
える - 天才だなんて、そんなことないですよ！でも、好きだと言って下さってありがとうございます。最近更新出来てなくてごめんなさい…。頑張ります！ (2022年4月4日 16時) (レス) id: f47f77b793 (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊すぎてキュン死した - 初コメ失礼します！好きです！！((唐突 主様天才なんだなって思います、無理なく更新頑張ってください！ (2022年4月1日 0時) (レス) @page15 id: c23217a783 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2021年6月16日 0時
